尾車親方 照ノ富士に「勝ち進んで締めてもらいたい」期待は明生「どこまで食い込むか」
「大相撲秋場所」(12日初日、両国国技館)
初日を翌日に控えた11日、東京開催場所の責任者、尾車事業部長(元大関琴風)が電話取材に応じた。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下の開催。宮城野部屋で感染者が出たため、横綱白鵬(36)ら同部屋の力士全員が全休となった。
「コロナで毎場所、気は抜けない。宮城野部屋で出てしまいまして、せっかくの2横綱での場所予定が残念です」と語った。
優勝争いは新横綱照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=が中心。「一番安定した成績を残している。新横綱だからと気負ったところがなければ今場所もやってくれると期待。一人横綱ですのでしっかりと勝ち進んで締めてもらいたい。土俵入りを見てもらえるのも喜ばれる。横綱誕生は協会にとってもうれしいニュース」と喜んだ。
照ノ富士に続くのが両大関の正代(29)=時津風、貴景勝(25)=常盤山。「横綱に食らい付くくらいの優勝争いの展開になるのが理想」と期待。両関脇の御嶽海(28)=出羽海、明生(26)=立浪=も力は十分。「明生がどこまで食い込んで上がっていくか」と、新関脇の躍進を楽しみにした。
若手が照ノ富士にどこまで通用するかも注目。「(東前頭筆頭の)豊昇龍はしぶとい相撲。上としては嫌。何人か(上位を)食う。(西前頭3枚目)琴ノ若は(上位に)初挑戦。どこまで上位に通じるのか関心を持って見ようと思う。(東前頭3枚目)若隆景、(西前頭2枚目)霧馬山、(西前頭筆頭)隆の勝、上に元気な若いのがそろっている。上はやりづらさがあるかもしれないけど、見る方は番狂わせを起こしそうな若手がいる。(東前頭6枚目)宇良も上がってきて成績によっては上位の番付と当たってくる。そのへんは楽しみ」と話した。
特に琴ノ若(23)=佐渡ケ嶽=は幼少期より成長を見てきただけに気になるホープ。「相撲はおじいちゃん(先代師匠の元横綱琴桜)じゃなく、お父さんに似ている。(これまでは)懐の深さで勝っていた。(上位相手に)一つモデルチェンジするチャンス。おじいちゃんのような馬力で上位陣を驚かす、若々しい相撲を期待。突き抜けて彗星のように横綱に突っ走ってくれる若手に期待。今場所、その足がかりの相撲を取ってもらえれば」と、次代の大関、横綱候補出現を待望した。