「カーリング女子・北京五輪代表決定戦」（１２日、稚内市みどりスポーツパーク）

　最終戦が行われ、１８年平昌五輪銅メダルのロコ・ソラーレが、日本選手権女王の北海道銀行を８－６で下し、２連敗からの３連勝という大逆転で日本代表の座を手にした。１２月の世界最終予選（オランダ、レーワルデン）に出場し、２大会連続の五輪出場を狙う。

　まるで２連敗すら演出かのようにドラマチックに代表の座を手にした。前半から優勢に試合を進めると、終盤の北海道銀行の逆襲もしのぎ切り、最後は藤沢が重圧の掛かるドローショットを決めて決着させた。

　勝利が決まった瞬間、藤沢、吉田知らは全員が涙で歓喜を分かち合った。藤沢は「いや～緊張しました」とホッと一息。「２試合目の最後のショットを私が決めれば勝ちだったというショット、スキップの１番の責任のショットを決められなかった。自分のショットで負けてしまったので・・・。この最後の試合は絶対決めたいって思って、投げれて決めて勝てたのが１番うれしかった。一人じゃ絶対できなかった」と、思い返して再び涙した。

　２連敗で崖っぷちに立たされて、ようやくチームカラーを取り戻した。吉田知は「ずっと怖くて、怖かったんですけど・・・。ようやく蜘蛛の糸がおりてきた気持ちです。北海道銀行ではなく、私たちの運命と戦った気持ちです」と目を真っ赤にしながら振り返った。「本当にロコ・ソラーレ、この１年間はちょっと格好つけてたなと。格好つかないんだから、格好つけるの止めよって。本当にそんな気持ちで戦いました。私たちらしく。最後は超格好悪かったです、超ダサかったです。でも私たちはトップアスリートになんてならなくていい。ロコ・ソラーレであればいいので。トップアスリートではなかったが、ロコ・ソラーレだった。自分を誇りに思います」と、苦境を乗り越えたチームに胸を張った。

　１２月の世界最終予選で残り３枠の五輪出場枠獲得を狙う。平昌五輪銀メダルの韓国なども出場予定で激戦が予想されるが、藤沢は「平昌で戦った韓国や、３位決定戦で戦った英国もいる。運命を感じる」。飾らない、本来の魅力を取り戻したミラクルチームに、もう怖いものはない。