御嶽海 照ノ富士戦へ「秘策」大栄翔“瞬殺”トップと2差!万年大関候補返上へ気合
「大相撲秋場所・11日目」(22日、両国国技館)
関脇御嶽海が平幕大栄翔を押し出して一蹴し、三役で5場所連続の勝ち越しを決めた。トップと2差をキープし、上位激突の残り4日、逆転V3へ勢いは十分。13日目に予定する新横綱照ノ富士戦へ「秘策」を予告した。照ノ富士は難敵の小結高安を振り切り、10勝目(1敗)で単独トップ死守。唯一2敗で平幕妙義龍が追う。3敗で大関正代、御嶽海ら6人が続く。大関貴景勝は5連勝でかど番脱出に王手をかけた。
御嶽海が心身とも乗ってきた。横綱に土を付けた馬力自慢の大栄翔を4秒5で完封。猛烈な突きを浴びても、下がらない。下からはね上げて猛進。たまらず引いた相手を一気の出足で吹っ飛ばした。
勝ち越しを決め、インタビュー室でもノリノリだ。トップと2差キープに「いやあ、横綱は負けないでしょ。僕も負けないように食らいついていく」と冗舌。直近5連敗中の照ノ富士打倒へは「作戦を考えている」と秘策を予告。内容を問われ、「秘密です」と不敵な笑みを浮かべた。
万年、大関候補ももう返上したい。関脇で優勝2回を誇る実力は誰もが認める。関脇在位16場所、三役在位26場所ともに昭和以降8位。一方で大関とりに必要な三役で10勝以上が4度しかない。
2桁の壁を突破へ1年以上、スピードを磨き上げた。今場所の8勝は成果を実感。「この結果がすべて。負けた3番はすべて勝てた3番。全部納得している」と力を込めた。
新横綱攻略が2年ぶり秋場所制覇へ必須。「その(作戦)通りになるように頑張りたい」と、直接対決で波乱を起こす気は満々だ。
強力援軍も招待した。東京五輪では東洋大後輩からパワーをもらった。競泳の大橋悠依が女子個人メドレー2冠。萩野公介が男子個人メドレーで6位。「刺激になった。スポーツで感動を与えてくれた」と心がふるえた。
感動のお返しとして親交ある萩野には連絡し、日程調整が付けば終盤戦、国技館に応援に駆け付けるという。今場所の締め込みは母校カラーの「鉄紺」。先輩は逆転V3へ燃えている。