白鵬と騒動 審判批判、自ら物言い、万歳三唱、三本締めなどで物議醸す
大相撲の第69代横綱白鵬(36)=宮城野=の現役引退が27日、決まった。同日、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)から引退届提出の意向が日本相撲協会に伝えられた。史上最多45回の優勝、史上1位の通算1187勝など数々の大記録を打ち立て、14年以上も横綱に君臨。唯一無二の存在感の一方で言動は物議を醸した。審判批判、自ら物言い、万歳三唱、三本締め…、横綱審議委員会(横審)から「ごう慢」と品格を問われた。最後となった名古屋場所も千秋楽にガッツポーズ。横審は「見苦しい」と切り捨てた。東京五輪では無観客の柔道会場を訪れ、関係者と写真撮影。協会は「常識、非常識が全く分かっていない」と苦言を呈した。
◆白鵬と騒動
2008年夏場所、にらみ合い 千秋楽の結び、朝青龍に引き落とされた後、横からダメ押しされ、白鵬が朝青龍に右肩をぶつけ両者にらみ合い。両横綱に厳重注意。
2015年初場所、審判批判 大鵬超え33回目優勝の一夜明け会見で13日目、稀勢の里戦で取り直し判定に疑義。「あれは、勝ってる相撲。子どもが見ても分かる。もう少し緊張感を持ってやってもらいたい」と発言。さらに「肌の色は関係ない」などと人種差別をほのめかした。協会幹部、横綱審議委員会(横審)から苦言を呈された。
2017年九州場所、自ら物言い 11日目、嘉風に一方的に攻め込まれ黒星。立ち合い不成立をアピールし、取組後、しばらく土俵下に残り物言い。翌日審判部から厳重注意を受けた。
同場所、優勝インタビューで物議 暴行事件の日馬富士に言及。「場所後に真実を話し、うみを出し切って日馬富士関と貴ノ岩関を、再びこの土俵に上げてあげたい」と心情を吐露。さらに観客とともに万歳三唱を行った。横審からは、かち上げ、張り手を乱発する立ち合いを批判された。
2018年1月4日、処分 日馬富士の暴行現場に同席。1月の給与不支給。2月の給与の50%減額。
2019年春場所、三本締め 平成最後の土俵で42回目の優勝。優勝インタビュー後、観客に呼びかけ三本締めを行った。「土俵上の礼儀、作法を欠く。相撲道の伝統と秩序を損なう行為」という協会の規定違反。
2020年11月場所後 横審から2番目に重い史上初の「注意」決議を受ける。
2021年1月、新型コロナウイルス感染 復帰予定だった初場所を全休。
2021年春場所後 横審から7月の名古屋場所で進退を懸けるよう最後通告。
2021年名古屋場所 14日目、正代戦で仕切り線から大きく距離を取った立ち合いの奇策や、千秋楽、照ノ富士戦でのガッツポーズ、雄たけび。全勝で復活優勝したものの、横審から「見苦しい」と猛批判。