組織委総括 五輪開催で感染増は否定「ファクトない」7月21日から実効再生産数は低下
東京五輪・パラリンピック組織委員会は28日、都内のホテルで理事会と新型コロナウイルスに関する専門家会議を開催し、五輪・パラリンピックについての報告を行った。「安心安全な大会」の要となった新型コロナウイルス対策について、水際対策と100万回を超えた検査体制により、累計感染者数は870人。大会参加者の陽性率は空港検疫で0・10%、スクリーニング検査で0・03%だったとし、「海外からの感染の持ち込みを抑制し、選手村や競技会場における感染拡大を防止した。選手村や会場でのクラスター発生もなく、専門家からも『大会は安全に行われた』『行動管理や検査などの対策がうまく機能した』との評価をいただいた」と、総括した。来日大会関係者の入院者数は五輪が2人、パラリンピックが3人。重傷者数は0人だったとした。
また、緊急事態宣言中にも関わらず、東京五輪開催中から、新型コロナウイルスの感染者が急増したことについて、一部から開催による自粛や感染対策の意識の緩みなど間接的な影響を指摘する声もあるが、厚労省のアドバイザリーボードの資料から「実効再生産数は7月21日をピーク(1・4)に大会期間中は低下し続けた(パラリンピック終了時の9月5日は0・68)」こと、東京都水道局発表の上水道排水量推移から、7月23日の開会式では大坂なおみの聖火点火直後に配水量が急増していることや、鉄道利用者の推移などから「多くの人が在宅で観戦しており、人流は減少した」と、人流抑制に貢献したことを強調。中村英正大会統括は「心理的な影響として気が緩んで人流が増えた、感染が拡大したというファクトはない」とし、間接的な影響も否定した。