柔道男子の鈴木桂治監督 重量級惨敗に危機感「非常に厳しい」海外派遣積極化へ
柔道日本男子の鈴木桂治監督(41)が19日、監督就任後の初陣となったグランドスラム(GS)パリ大会を終えて帰国し、オンラインで取材に応じた。日本勢は4階級を制したものの、就任時に最重要課題に挙げた100キロ超級は小川雄勢、佐藤和哉の2人がそろって初戦敗退という厳しい船出。「いい選手はよくて、良くない選手は良くないとハッキリした。重量級は、世界で戦う、世界で勝つというテーマ(達成まで)はまだ遠いと改めて感じた」と危機感をあらわにした。
08年北京五輪の石井慧以来の金メダルを目指す最重量級は、影浦心が今年の世界選手権で優勝したものの、東京五輪では原沢久喜が5位に終わった。
今月就任した鈴木監督は重量級復活を至上命令としているが、今大会を通して新勢力の台頭も感じたといい、「海外の若手は確実に育っている」と焦燥感をにじませた。
日本勢は現状として、国内では海外選手を想定した練習相手がなかなかいないことを喫緊の課題に挙げ、「可能な限り海外派遣をして、一本でも多く海外選手と組み合う時間をつくりたい」と、国際合宿も含めて積極的に送り出す考えを明言。「急がないと、重量級は非常に厳しい」と眉間にしわを寄せた。