内村航平 ひねり技“封印”予選5位通過 五輪悪夢の落下繰り返さない「精一杯やる」
「体操・世界選手権」(20日、北九州市立総合体育館)
男子予選が行われ、生まれ故郷の北九州での大舞台に臨んだ内村航平(32)=ジョイカル=は鉄棒で14・300点の5位で、24日の決勝進出を決めた。
夢舞台での失意を乗り越え、戻ってきた生まれ故郷の地。圧倒的とはいえなくても、しっかりと演技を通しきることに意味があった。演技を終えた内村は「良かったのは1つもない」と苦笑いしつつ、「どうなっても落ちない、やりきるという意地が演技として出たかな」とうなずいた。
H難度の大技ブレトシュナイダーを含め、離れ技はなんとか決めきった。「演技のトラウマは拭えない」と、佐藤コーチの助言で五輪で落下したひねり技は抜き、着地まで丁寧にまとめた。まず悪夢を振り払った。
無観客だった五輪とは違う、温かい応援が再起の演技を支えてくれた。予選後は観客席に大会Tシャツを投げ込み、感謝を示した。「結果は本当にどうでもいい。僕は散々残せるだけ残してきたので、お客さんに盛り上がってもらうこと。演技で返す。それがスポーツのあるべき姿だなと今日はすごく感じた。今できることを精一杯やりたい」。故郷に飾る錦は全身全霊の演技と決めている。