駿河台・今井 教師から31歳で箱根路「仲間に感謝」チーム内のぶつかり合いで学び
「箱根駅伝予選会」(23日、陸上自衛隊立川駐屯地周回コース)
31歳の4年生・今井隆生(駿河台大)が最後のチャンスをつかみ取った。初の本戦出場権を獲得し、「歴史が動いた瞬間かなと思った」と仲間と喜びを爆発。自身はチーム最後の10番手でゴールし、「嬉しいという言葉を使うよりは仲間に感謝です。後輩たちにただただ感謝です」とはにかんだ。
元々中学校で保健体育の教師をしていたが、「自分の指導に悩んでいたところがあった」と20年4月に自己啓発等休業の制度を使って駿河台大3年に編入。「生徒への接し方とかを学んでいくのは自分の今後のキャリアになるなと思った。5、6年社会に出て、ある程度学んだところでもう一度新しい学びをしてそれを第2のスタートにしたいなという気持ちで駿河台に編入した」という。
年齢が離れた仲間とともに箱根路を目指す中で、「(主将の)阪本が新しい取り組みをたくさんして、最初はそれに対しての反感やチームがうまくいかないところもあった」とぶつかり合うことも。それでも、「阪本のやり方は自分のやり方とは違うけど、本当に彼から学ぶことはすごくあった。自分も厳しく言い過ぎた部分もあったりとか、僕自身譲れないところもあって。でも、自分が譲るところは譲って、ここだけは譲れないというところはしっかり持って、この2年間そこの軸だけはぶらさずにやってきた」と工夫しながらチーム作りを行ってきた。
来年1月の本戦では「(監督の)徳本さんに後ろで声をかけてもらいながら走れる。最後監督に感謝を伝える走りをしたい」と今井。“31歳の学生ランナー”が箱根路で躍動する。