羽生「最終目標」4回転半へ試練 4年で3度目の右足首負傷 消耗激しくリスク表面化

 日本スケート連盟は4日、フィギュアスケートのGPシリーズ・NHK杯(12日開幕、代々木第一体育館)で今季初戦を予定していた五輪2連覇王者の羽生結弦(26)=ANA=の欠場を発表した。練習中に転倒し、右足関節じん帯を損傷したため。まだ誰も成功させていないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑み、3連覇が期待される北京五輪も3カ月後に迫る中、日本のエースを再び試練が襲った。

 「最終目標」と語る4回転半ジャンプ挑戦のリスクが無念の形で表面化した。羽生がすべてのジャンプの着氷を支える右足首を負傷するのは、平昌五輪シーズンだった17年と、翌18年に続いて3度目。男子のトップ選手は今では複数種類の4回転ジャンプをSPで2本、フリーで4~6本挑むことが主流となっており、年々右足首への負担は増大。18年のロシア杯で負傷した際には羽生自身も「弱いというか脆いというか」と話していた古傷だった。

 羽生は今回「たった一度の転倒で怪我をしてしまい、とても悔しく思っています」とコメントした。どのジャンプによる負傷かは明らかにしなかったが、「全神経と全気力を使っている」と話していた4回転半ジャンプ完成を目指す中で右足首への負担が増していた可能性は高い。着氷時に右足に掛かる負荷は3回転ジャンプで体重の5、6倍とも言われる。より回転力などを求められる前人未踏の超大技。昨季終了時点で「あと8分の1回れば立てる」と完成が間近に迫る中で、さらに消耗は激しく、負傷のリスクは大きくなっていたとみられる。

 それでも、数々の逆境を乗り越えてきた26歳は、前を向く。「今回の怪我からも、また何かを得られるよう、考えて、できることを全力で取り組みます。今は少しでも早く、氷上に立つことを目指し、痛みをコントロールしながら氷上でのリハビリをし、競技レベルに戻るまでの期間をなるべく短くできるように努力していきます」と、覚悟を綴った羽生。試練に立ち向かいながら、夢への挑戦は続く。

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