鍵山優真が大逆転V SP7位からのフリー世界歴代4位 折れかけた心救った“父の言葉”

 大逆転Vを決めた鍵山
 ジャンプで着氷しガッツポーズする鍵山優真(共同)
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 「フィギュアスケート・GPシリーズ第3戦」(6日、トリノ)

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)7位の鍵山優真がフリー1位で自己ベストとなる197・49点をマークし、合計278・02点で逆転優勝した。首位と17・36点差を巻き返した。友野一希(セントラルスポーツ)は合計245・11点で6位。

 右手を胸に、鍵山はフーッと大きく息をついた。ピアノの音色が響き出すと、瞬く間に「グラディエーター」の世界へ。冒頭の4回転サルコーをこらえながらも着氷すると、その後は安定感ある演技で魅了した。締めのポーズを決めると何度もガッツポーズ。「ジャンプが一つ一つ久しぶりに決まるたびに『跳べるぞ、やれるぞ』って気合が湧いてきた」。フリーの自己ベストを6・68点更新する好演に喜びがあふれた。

 首位とは17・36点差。大会前は「ノーミスで優勝」を掲げていたが、SPはかつてないほどの大撃沈だった。上位6人による最終グループにも残れず「どう立ち直ればいいんだろう」。フリー当日を迎えても晴れなかった鍵山の心を救ったのはコーチである父・正和さんの言葉だった。

 「立場とか成績とか関係なく、ただひたすら練習してきたことを頑張るだけだ」-。朝の公式練習後にそう言われ、われに返った。

 シニア1年目だった昨季の世界選手権は銀メダル。SPも挑戦者のつもりではいたが「全て肩から降ろし、一から挑戦者の立場で挑んだ」。今季から組み込む4回転ループは封印。欲は出さず「思い切りやることだけ」に集中した。優勝という結果には「すごくビックリ」と目を丸くしたが「いい経験になった」とたくましい表情で振り返った。

 22年北京五輪シーズン。「最終目標は五輪の表彰台に上ること」と言い切る。今回フリー2種3本だった4回転は、3種4本を目指す意向。大きな伸びしろと壮大な野望を胸に、五輪のメダル争いへ18歳が挑戦状をたたきつけた。

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