故斉藤仁さん次男・19歳斉藤立がシニア国際デビューで衝撃V パリへ鮮烈アピール
「柔道・グランドスラムバクー大会」(7日、バクー)
男子100キロ超級が行われ、五輪王者の故斉藤仁さんの次男、斉藤立(たつる、19)=国士舘大=が4試合をオール一本勝ちで制した。シニアの国際大会デビュー戦で鮮烈に初優勝を遂げ、24年パリ五輪に向けてアピールした。
今大会は世界の一線級は出場していなかったが、斉藤は190センチ、160キロの恵まれた体格から繰り出す切れ味鋭い技で一本勝ち連発し、衝撃の優勝を飾った。
初戦はフェイジエフ(アゼルバイジャン)を大内刈り、体落としの合わせ技一本で退け、2回戦はコカウリ(アゼルバイジャン)に得意の内股で一本勝ち。準決勝はツェツェンツェンゲル(モンゴル)を抑え込んで下すと、決勝は第1シードのラキモフ(タジキスタン)を完璧な支え釣り込み足で吹っ飛ばして一本勝ちした。
10月から鈴木桂治監督(41)の新体制となった日本男子は、08年北京五輪以来金メダルから遠ざかっている100キロ超級の復活を最重要課題に位置づけており、東京五輪代表の原沢久喜、世界王者の影浦心を追う期待の若手の1人として斉藤の名前も挙がっていた。ただ、鈴木体制初戦となった10月のGSパリ大会では、同階級で日本の2選手がともに初戦敗退と苦難のスタート。斉藤はパリ大会から練習相手として帯同し、そのまま現地に残って海外選手との練習に参加した後、アゼルバイジャンに乗り込んでいた。
約3週間、慣れない海外生活にもまれた成果をしっかり発揮した。鈴木監督は大会前、大学入学後に故障続きだった大器について「普段の練習や生活に甘えが隠れている」と課題を喝破。その上で、今回の欧州での武者修行の狙いについて、日本では大きな体格の練習相手がいないことも踏まえて「練習環境の確保と独り立ち(が目的)。まだ重量級特有の甘えがあるので、甘えを断ち切ってほしい」と期待を込めていた。