村上茉愛 晴れやかに幕「最高の形で引退できてとても幸せ」女子初の五輪銅&世界選手権金2個

 笑顔で引退会見を行った村上茉愛(撮影・佐藤厚)
 東京五輪でH難度の大技「シリバス」を決める(右から左へ)=8月2日
 世界選手権種目別床運動で金メダルを獲得し感極まる=10月24日
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 東京五輪で体操女子の種目別床運動銅メダルを獲得し日本女子初の個人種目の表彰台に立った村上茉愛(25)=日体ク=が8日、横浜市の日体大で引退会見を行った。10月の世界選手権を最後に現役を退いた“ゴムまり娘”は、黒のスーツ姿で登場。晴れやかな笑顔で現役時代を振り返ると同時に「体操に出会えて良かった」と感謝した。今後は、指導者の道を歩む方針を示した。

 黒のスーツ姿に晴れやかな表情がよく似合った。村上は母校で現役引退を報告し「私、村上茉愛は先日の世界体操をもちまして引退することとなりました。改めて感謝の気持ちを言葉にして伝えたかったのでこのような場を作っていただきました。現役中はたくさんの方にお世話になり、支えてもらいました」と笑顔で感謝した。

 10月24日、世界選手権の種目別床運動で金メダルを獲得した後に、場内インタビューで引退を表明。「最後は大勢の方に見送られて、最高の形で引退することができてとても幸せです」。観客の前で金メダルを掲げ、競技生活に別れを告げた。

 “ゴムまり娘”と呼ばれた脚力を生かしたH難度の大技シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)を武器に、17年世界選手権の床運動で初優勝。18年に個人総合2位。東京五輪では個人総合で過去最高の5位。体操ニッポン女子の歴史を塗り替えてきた村上が最も印象に残る演技として挙げたのは、個人総合で21位に終わった15年全日本選手権の床運動だった。

 「自分は甘やかされていて、先生方に『考え方を改めなさい』と言ってもらえた。長い時間をかけてその言葉の意味を理解することができた。あの言葉がなかったら今はないのかな」。明るい表情が次第に涙声になった。

 「体操に出会えて良かったと思っています。体操じゃなかったらここまで目標を持って生活してなかった」。3歳で競技を始めた時から常に隣にあった大切な存在とは、今後も関わり続けていく。母校・日体大のコーチになる予定で「選手たちを見ていきたい。少しでも貢献できれば。日本女子はもっと強くなっていかないといけない。メダルを獲った時の感覚をたくさんの人に味わってほしい」。村上だからこそ歩める第二の人生を、期待に満ちた表情で思い描いた。

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