関脇明生「何でもできる力士が一番強い」目指すは9場所連続勝ち越し「次の番付を」
「大相撲九州場所」(14日初日、福岡国際センター)
関脇明生(26)=立浪=が9日、稽古後に電話取材に応じた。6日に福岡入りし、調整。この日は幕内の豊昇龍、天空海と申し合い稽古で約25番取った。
「福岡に入る前からしっかり追い込んで。福岡に入ってからはもう調整に入る。(東京では)番数を取れる日はすごく増やしたりして、その後のトレーニングとかもしっかりやった」と番数は多い日で40番をこなした。
15日間のスタミナを見据え、疲労の中での動きを確認。「疲れた時の動きが悪くなるんで、そういう時、しっかり体が動くようにと、番数を増やした」と力を込めた。
昨年7月場所から勝ち越しが続く。新三役に上がった今年、1年収めの場所でまずは9場所連続勝ち越しで有終が目標。「今年最後の場所なので三役でしっかり勝ち越して、その後の成績はその後から生まれてくると思うので、まずはいい形で勝ち越すこと心がけたい」と意気込んだ。
鹿児島・奄美大島出身で九州がご当所。「やっぱり近い分、地元からの声援、声が聞こえてくる。九州場所でもしっかり結果を残せるように頑張りたい」と声援を力にする。
2年ぶり九州場所。「寒いのと暑いのがちょっと、差が激しいですね。鼻が詰まるというか、花粉なのかPM2・5なのか鼻がすごく詰まります」と、鼻声で話した。
元横綱白鵬(現間垣親方)が引退。次の角界の柱として若手に期待が増す。「そうなるように精進したいですね。自分がなってやるということじゃなくて、結果を土俵で残して、周りからそういう期待されるようなものを自分で積み上げていきたい」と意欲は十分。
新関脇の先場所は12日目に横綱照ノ富士(伊勢ケ浜)を破り、そこから4連勝して勝ち越しを決めた。大関を目指すため三役の地位を維持しながら、地力を付ける。
「やっぱり三役でしか、次の番付に挑戦できない。関脇とかそういう地位にいないと、大関とかそういうところへの権利がないというか、続けることも大事。常に、次の番付を狙ってますね」と目標ははっきりしている。
一方、三役で2桁勝利の難しさもある。「まだまだ自分が実力がないなと思いました。技術的なものもすごくありますし、メンタル的なものも少しあるのかな」と実感した。
理想は組んでよし、離れてよしの万能型。「何でもできる力士が一番強いというのが理想。全体的に鍛えていきたい」と言う。
横綱照ノ富士とは2011年夏場所が初土俵の同期生。合宿でも胸を借り、常に背中を追ってきた。「自分よりはるかに、積み上げてきたものが違う。自分が下の時に大関だった人。上に上がって戦いたいと思ってやってきてたので。照ノ富士関が横綱になっても自分は、あの人がどの地位にいても、勝負できるように、という思いでいた」。上だけを見据え、期待の26歳が成長を続ける。