御嶽海 九州場所は苦手?「不安は大きい」2年前は6勝どまり

若い衆相手に稽古する御嶽海(左)=日本相撲協会提供
ゴムチューブを使いトレーニングする御嶽海(日本相撲協会提供)
若い衆相手に稽古する御嶽海(左)=日本相撲協会提供
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 「大相撲九州場所」(14日初日、福岡国際センター)

 3場所連続関脇の御嶽海(28)=出羽海=が12日、電話取材に応じ、「2年ぶり九州で、わくわくしているけど、不安は大きい場所」と心境を語った。調整は直前まで東京で仕上げ、10日に福岡入りした。この日、取組編成会議で初日、幕内阿武咲(阿武松)、2日目、隆の勝(常盤山)との対戦が決まった。

 11月場所は鬼門。東京開催の昨年は7勝8敗。2019年は2度目優勝の翌場所で大関とりに挑んだが、6勝と惨敗。「負け越しが続いている。九州は苦手」と苦笑いした。

 敵は九州場所の時期の寒暖差。「きょう暑いでしょ?きのうまですごい寒くて、雨が降ったりやんだりで、部屋にいても寒いんですけど。今、部屋めちゃくちゃ暑いんですよね。日が差してて。昼間暑くて、自分が取組するとき寒いじゃないですか、夕方で。そうしたちょっとした温度差というのはあるのかな」と口にした。

 取組前に足元を温めるが、支度部屋は壁一枚隔てて隣はすぐ外ですぐに体が冷える。さらにコロナ禍で出稽古は禁止され、部屋には関取が自身しかおらず、実戦稽古も不足。「やり残したことだらけですけど。やっぱり関取衆と場所前にできなかったというのは痛手だし、やっぱり部屋で若い衆とそんな取れなかったですね。部屋にけが人が多かったりで。基本的な稽古しかできてなかったのは、ちょっと物足りなかったですけどね」と、“ぶっつけ本番”だ。

 とはいえ、この1年、稽古に工夫をこらしながら成績は残してきた。9場所連続の三役。関脇在位17場所、三役在位27場所は、ともに昭和以降6位タイとなる。今年5場所は三役の地位ですべて勝ち越している。

 一方で2桁勝利は夏場所(10勝)のみ。優勝2回を誇る実力者ながら、何度も大関とりに失敗。悲願へ向け、1年納めの場所で2桁勝利はノルマだ。

 「まあ、もう何年も(大関とりを)待たしていますけどそれなりに僕も狙っている、狙ってないわけじゃない、しっかり目指してはいるので。(今年)最後になっちゃいますけど、勝ち越しというよりかは10勝以上で終わりたいと思いますけどね」と力を込めた。

 元横綱白鵬(現間垣親方)が引退し、次の角界を担う存在が必要になる。横綱への意欲を問われると「横綱にはなりたくないんですけど」と冗談で笑わせながら、「目標となる一番近い大関には早くなりたい。(番付上)もう上に3人しかいないからね。早く大関の枠に入りたいなと思います」と意気込んだ。

 原則外出禁止の九州場所は食べるのが楽しみ。「明太子はめちゃくちゃ食べました。ちょっとやばい。ご飯がすすみすぎているので。外に出ない分、ストレスでめちゃくちゃ食っちゃうのかな」と体重増が心配される。

 もっと稽古するしかないとふられると「言っておきます、ふふふ」と、人ごとのように返し、笑わせた。

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