羽生結弦「着実に前に進んでいきます」回復遅れロシア杯も欠場、全日本ぶっつけ出場へ
日本スケート連盟は17日、フィギュア男子で五輪2連覇の羽生結弦(26)=ANA=がGPシリーズ第6戦のロシア杯(26日開幕、ソチ)を欠場すると発表した。負傷していた右足関節じん帯の回復が遅れているため。先週の第4戦NHK杯も欠場していた。12月のGPファイナル(大阪)出場の可能性は消滅しており、次戦は3連覇が懸かる北京五輪の代表選考会を兼ねた、全日本選手権(12月、埼玉)となる見込み。「着実に前に進んでいきます」などとコメントした。
苦しい状況に立たされても、それを受け入れ、前へと進もうとする力がある。前人未到のクワッドアクセル(4回転半)成功を見据え、練習を積んでいた最中、羽生はまさかの転倒で右足首を負傷。その回復が遅れているため、ロシア杯の欠場も発表された。
「動きによっては痛みが出てしまいますが、日常生活では、痛みの影響がなくなってきました」と羽生。「まだスタートラインにはたどり着いていませんが、着実に前に進んでいきます」とコメントした。連盟によると、既に練習は再開しているが、万全には至っていない状況という。
GP2戦の欠場に伴い、GPファイナル出場の可能性は消滅。今季初戦は22年北京五輪代表選考会を兼ねた、全日本選手権(12月、埼玉)となる見込みだ。3連覇の懸かる北京五輪挑戦は明言していないが、代表入りには最終選考会である全日本選手権への参加が必須となっている。
ただ、2度の優勝を含め世界選手権で7度表彰台に乗っている羽生は、実績のある選手に対する「追記」に該当する。右足首は2連覇した平昌五輪直前の17年11月にも痛めるなど、負傷を重ねている箇所。同じく右足首を痛めた18年11月のロシア杯では「弱かった右足首がさらに緩くなっている。ほんのちょっとの衝撃でもすぐに捻挫や大きなケガになってしまう」とも話していた。
仮にけがの回復が遅れ、羽生が全日本選手権欠場を余儀なくされた場合も、竹内洋輔フィギュア強化部長(42)は「選考の土台からは落ちない」と説明。3人目の選考項目の1つとして明記されている「全日本終了時点の世界ランク上位3名」を満たすことは確実だけに「4年前の経験もある。われわれとしてはしっかりと回復してくれれば、競技力を戻してくれると思っている」と期待を寄せた。
「応援の声や想いに応えられるよう、全力で頑張っています」とコメントした羽生。クワッドアクセル成功という唯一無二の夢をかなえるために、まずは万全の状態を取り戻す事が最優先だ。