ラグビー日本 戦術変更ハマり成長示した キック減らしパスとランの連続攻撃に活路
「ラグビー・テストマッチ、日本20-29スコットランド」(20日、エディンバラ)
世界ランキング10位の日本は欧州遠征最終戦で同7位のスコットランドに20-29で敗れた。ボール保持率を高めて攻撃したが、前半はノートライで6-19。途中出場のFWテビタ・タタフ(東京SG)が後半24分にトライを挙げるなど、一時は6点差まで追い上げたが届かなかった。今秋のテストマッチを終え、10月のオーストラリア戦や大敗したアイルランド戦から明らかな成長を見せたジャパン。2023年W杯フランス大会まで2年を切り、デイリースポーツラグビー担当の知手健人記者が収穫と今後の課題に迫った。
強豪を相手にまたしても勝利には届かなかった。それでも、欧州遠征最終戦となるこの一戦で日本は確かな成長を示した。
アタックではキックを減らし、パスとランの連続攻撃に活路を見いだした。試合開始直後の攻撃は18フェーズ続いた。先発のSO松田は「相手にポゼッションさせないために、自分たちのポゼッションを持ってプレッシャーをかけ続けた」とプランを明かした。
戦術ははまった。最終的なボール保持率は大敗したアイルランド戦の36%から49%に上昇し、「相手は嫌がっていた」と松田。ノートライだった前半から、後半24分にタタフがトライを奪うなど追い上げた。手応えは課題だったペナルティーの数にも表れた。相手の11に対して日本は9。オーストラリア戦から3試合連続で反則数は2桁だったが、この試合は19年W杯以来となる1桁に抑えた。
今季は春を含め6試合。格下のポルトガル戦では先発10人を入れ替えた。CTB中野ら若手も起用し、経験を積んだことは大きな収穫となった。ジョセフHCも「未来に向けてすごくポジティブ」と振り返った。
一方、勝ちきれなかったのも事実。リーチは「アウェーでどう勝つかはもっと真剣に考えないといけない」と、ティア1に敵地で勝つ難しさを改めて痛感したツアーとなった。
W杯フランス大会まで2年を切り、コロナ禍で遅れた強化の巻き返しも必要だ。「勝つことに魔法のレシピはない。今後選手はTL(リーグワン)に戻って成長し続けていくことが重要」と指揮官。新リーグで個の向上が求められる。