バド全日本 変異株余波で桃田ら日本代表出場に暗雲 直前まで海外遠征で強行軍も
日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は29日、都内で行われた全日本総合選手権(12月24~30日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)の制作発表会に出席した。男子シングルス3連覇中の桃田賢斗(NTT東日本)ら日本代表も全選手が出場予定だが、世界選手権(12月12~19日、スペイン)まで続く長期海外遠征から21日に帰国後、すぐの試合という強行日程。また、新たな新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」の世界的な感染拡大もあり、出場可否がきわめて流動的な状況となった。
2年ぶりの有観客となる全日本総合選手権は、例年は12月第1週に開催されていたが、今年は12月30日までの7日間となる。今後も同日程で開催する意向を明かした銭谷専務理事は「年末のイベントとして定着できるように。パリ五輪(代表争い)に向けた重要な大会でもある。年末をバドミントンで盛り上げたい」と、新たな“年末の風物詩”となるべく力を込めた。
ただ、大会の顔である日本代表は今回、超強行スケジュールを避けられない。現在インドネシアでの大会を終えた代表選手らは、ツアーファイナル(12月1~5日、インドネシア)を挟んで、世界選手権(12月12~19日、スペイン)に遠征予定。そこから同21日に帰国後、3日間の完全隔離を経て全日本総合選手権に出場する予定で、銭谷専務理事は「タイトなスケジュールになるが、フライトを休養に充ててもらいたい」とおもんぱかった。
さらに不確定要素もある。新型コロナウイルスの新たな変異株である「オミクロン」の世界的な感染拡大を受けて、政府は外国人の入国禁止を発表。今後の状況次第では日本人の入国制限に発展する可能性もあるだけに、銭谷専務理事は「(オミクロン株の拡大を遠征先の)欧州で何とか抑えてほしい」と祈った。
桃田は遠征先からビデオメッセージを届け、「4連覇が懸かっているが気負いすぎず、自分の力を発揮して見ている人を楽しませるようなプレーをしたい。自分のプレーができれば、4連覇できると思っている」と意気込みを語った。