フィギュアGPファイナル中止 オミクロン株急拡大で外国人渡航制限で中止
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の影響で、フィギュアスケートのGPファイナル(9~11日、大阪)を中止することが2日、決まった。日本スケート連盟が発表した。日本政府は水際対策を強化し、11月29日には全世界を対象に外国人の入国禁止を決定。日本スケート連盟はスポーツ庁などと協議を重ねてきたが、海外から多くの選手や関係者が来日する国際大会の開催は困難だった。
世界中でオミクロン株の感染が急拡大している状況を鑑みれば、海外から複数の国の人が一挙に集まる国際大会中止の判断は、やむを得ないだろう。
GPファイナルは世界トップの選手が集うだけに、五輪前哨戦とも言われる。世界での今の立ち位置を知れる舞台を失うことは選手にとって惜しいと思う。1週間前の中止決定は、モチベーションの維持も難しいだろう。
ただ予定通り大会が実施された場合、年末の全日本選手権まで調整期間は中1週。中止によって練習時間を十分に確保できるメリットもある。
前向きに受け止め、代表切符獲得へ気持ちを保ち、心身両面の調整を図ってほしい。その上で、全日本選手権では各選手が最高のパフォーマンスを発揮することを期待したい。
フィギュアスケートシーズン前半戦最大の山場であるGPファイナル。世界選手権男子3連覇のチェン(米国)、女子では世界最高得点を連発する15歳のワリエワ(ロシア)ら世界最高峰の選手が大阪に集結する予定だったが、開幕まで1週間となるタイミングで中止が決まった。
オミクロン株の世界的拡大により日本政府は水際対策を強化。日本スケート連盟によると、大会へ向けて選手、コーチ、関係者ら合わせて172人が入国予定だったという。
日本連盟はスポーツ庁などと調整を進めていたが“鎖国”の中での「特例」は認められず。国際スケート連盟(ISU)は、開催地を含め、シーズン終盤の代替開催を模索するとしている。
GPファイナルは、日本では22年北京五輪選考対象大会の1つ。男子で鍵山と宇野、女子で坂本が出場予定だったが、選考基準への影響については15日の理事会で決まるという。また選考会を兼ねた全日本選手権(22日開幕、埼玉)へ向けた海外拠点選手の帰国対応や隔離などの詳細は、いまだ不透明な状況にある。万が一選考基準に変更の必要が生じた場合も同様に理事会の承認が必要となる。
GPファイナル出場を決めていた鍵山は、早くも自身のツイッターで「全日本選手権に向けて頑張ります!」と切り替えを表明。コロナ禍に翻弄(ほんろう)されるシーズンが続くが、約2カ月後に迫る北京五輪を目指し選手は調整を進める。