小平奈緒 W杯個人通算34勝目 憧れの清水宏保氏に並ぶ日本勢歴代最多
「スピードスケート・W杯第4戦」(11日、カルガリー)
女子1000メートルは小平奈緒(35)=相沢病院=が1分12秒51で優勝し、この種目でW杯通算6勝目を飾った。500メートルと合わせ通算34勝となり、日本勢歴代最多の清水宏保に並んだ。小平は500メートルも36秒76で2位。女子団体追い抜きは、高木美帆(日体大職)、高木菜那(日本電産サンキョー)、佐藤綾乃(ANA)の日本が2分52秒89で2位だった。カナダが今季3戦全勝を果たした。
一蹴り一蹴りが氷を捉え、小平は力強く前へと進んだ。女子1000メートル。序盤の200メートルは全体8位も、残り2周のラップはともに1位。世界記録保持者ボウ(米国)を0秒03抑えてゴールすると、胸元で小さく拍手し、喜びをかみしめた。
これでW杯個人通算34勝。憧れの清水宏保氏に並ぶ日本歴代最多だ。11歳の時、長野五輪で金メダルを獲得した清水氏を見て、オリンピアンになる夢を抱いた。「何勝したかより、多くの選手たちとここまで競い合うことができたんだなと実感している」と冷静に話したが、大きな節目の1勝を手にした。
500メートルでは前日より0秒05縮め、2位でフィニッシュ。「スタートの音が鳴ってから考えて出ている」との反省から、この日は位置についたところから「思考」のスイッチを切ったという。「音が鳴ったら大丈夫だと腹をくくる感覚に、ようやくなれた。記憶にないけど、平昌五輪本番以来じゃないか」と小平。「最後、自分の感覚に身を委ねる感覚を得て終われた」と充実感をにじませた。
W杯4戦を戦い抜き「いろんな国の選手といい組み合わせで競えたので、五輪へ向けた材料としては大きな収穫があったと思う」。五輪まで約2カ月。心身ともに、得た手応えは大きい。