フィギュア全日本選手権開幕 北京五輪代表3枠争い女子は大混戦
「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日開幕、さいたまスーパーアリーナ)
フィギュアスケートの22年北京五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権は、さいたまスーパーアリーナで22日に公式練習と開会式、23日から競技が行われる。男女の優勝者は代表に内定する大一番。代表3枠を争う女子は有力選手が多数そろい、し烈な争いが予想される。男子は今季好成績を残す鍵山優真(18)=オリエンタルバイオ・星槎、宇野昌磨(24)=トヨタ自動車=が有力。五輪2連覇中の羽生結弦(27)=ANA=は、右足首の状態が気がかりだ。同じく右足首を痛めていた女子の紀平梨花(19)=トヨタ自動車=は大会欠場が濃厚となっている。デイリースポーツ・フィギュアスケート担当の國島紗希記者が大会を展望する。
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大会2連覇中で日本女子最高得点を持つ紀平の欠場が濃厚な中、女子の3枠争いはいっそう混沌(こんとん)とした状況だ。ロシア勢以外から唯一のGPファイナル出場を決めた坂本が自己ベストや世界ランクも含め一歩リードだが、他はほぼ横一線の様相と言える。
樋口、河辺は大技のトリプルアクセルを持つ。樋口はトリプルアクセルを決めたオーストリア杯SPで今季世界3位、河辺はNHK杯SPで同11位の高得点をマーク。爆発力はあるだけに、大崩れは避けたい。SP、フリーで大技をそろえ、かつ他のミスを最小限にとどめることが、代表争いの鍵となる。
今季高い完成度を誇るのが4年前の悔しさを知る三原。フリーは坂本に次ぐ日本勢今季2番目の高得点をマークしている。もともと安定感あるジャンプが武器の1つだが、20-21年シーズンに1年の休養を経て滑る楽しさを実感。柔らかな演技で切符獲得を目指す。
平昌五輪代表の宮原は課題である回転不足などの減点を最小限に抑えられるか。表現力は世界トップクラスなので、ミスのない演技ができれば魅力は十分に伝わるはずだ。
松生も昨季は安定感ある演技でジュニアながら全日本4位。右足首負傷でGPシリーズはふるわなかったが、上位に食い込む力は十分持っている。
4回転で圧倒的な技術点を重ねる選手はいない。その分1つのミスが命取りとなる“減点方式”で順位が決まりそう。各選手が最高の演技をぶつけ合う勝負を見せてほしい。