太田彪雅 全日本初V「やっと報われた」辛酸糧に成長「パリ五輪優勝が最終目標」
「柔道・全日本選手権」(26日、講道館)
体重無差別で争われ、決勝は前回準優勝の太田彪雅(ひょうが、24)=旭化成=が同王者の羽賀龍之介(30)=旭化成=に延長の末、6分10秒小外刈りによる技ありで競り勝ち、初優勝を果たした。世界王者の影浦心(旭化成)は準々決勝で敗退。3位には王子谷剛志、垣田恭兵が入り、4強を旭化成勢が独占した。
太田が殻を打ち破り大きなタイトルを手にした。決勝は前回と同じ羽賀との頂上決戦。相手の両襟を持つ組み手で攻撃を封じながら、最後は小外刈りで転がして決着。「前回敗れて悔しかったが、羽賀先輩にしっかり勝ってすごく自信がついた」と勝ち誇った。
1年前は1階級下のベテランに投げられ涙をのんだ。飲食店などでは名前ではなく「決勝で豪快に投げられた人」と覚えられる屈辱も。辛酸を糧に成長を示し「やっと報われた」と胸を張った。東京五輪では所属の先輩である大野将平、永瀬貴規が金メダルを獲得。「自分も金メダルを獲りたいと強く思った」と発奮し「練習の姿勢を見て、自分も姿勢を見直していこうと思った」と教材にした。
鈴木桂治監督は「海外派遣のチャンスも増える」と期待を込めつつ、「偶然ではなく確実な強さだと証明してほしい」とハッパもかけた。19歳の斉藤立(国士舘大)らライバルは多いが、太田は「パリ五輪で優勝することが最終目標。一つずつ確実に優勝していきたい」と気を引き締めた。