小松原組 夫婦でつかんだ夢舞台 大輔&哉中組との一騎打ち制し五輪代表入り「心から光栄」

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(26日、さいたまスーパーアリーナ)

 最後の最後にさく裂させた意地が、夢舞台へ夫婦を導いた。し烈な一騎打ちを勝ち抜き、アイスダンス代表となった小松原美里、尊組は「心から光栄に思います。この組を選んでよかったと思ってもらえるように頑張りたい」(美里)、「このメンバーで戦えることを誇りに、頑張りたい」(尊)と、力を込めた。

 日本アイスダンスに北京五輪1枠をもたらしたカップルが、崖っぷちに追い詰められていた。今季に入り、急成長を遂げた村元・高橋組の前に、11月のNHK杯で自己ベストを更新しながらも完敗。日本最高得点を連発するライバルに選考上リードを許していた。それでも、負ければ終わりの全日本で勝負強さを発揮して、リズムダンス(RD)、フリー(FD)とも大きなミスなく演技し、4連覇を達成。競技終了後「自分たちがすべきことはした」(美里)、「選手としての仕事はしたので、あとは大きな心で待ちたい」(尊)と話していたが、見事に土俵際でうっちゃった。

 ペアの三浦・木原組の躍進で団体戦でもメダルの期待がかかる中、鍵を握るのはアイスダンスになる。美里は「一番足を引っ張る立場。少しでも上に上がれるようにしないと」と気合をにじませた。

 16年にカップルを組み、競技を通じて互いにひかれあい、17年に結婚。そして、五輪という夢をかなえるために、米国出身のティム・コレトは日本国籍を取得。小松原尊となった。積み重ねた日々が結実したこの日。オリンピック日本代表の称号が、その絆の証しとなった。

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