「謝ってきたら、ぶっとばすから」駿河台大・徳本監督が31歳・今井に感謝と労い

 笑顔で引き揚げる駿河台大・徳本監督(左)=撮影・高石航平
 駿河台大・今井隆生(左)からたすきを受け取る永井竜二(撮影・佐々木彰尚)
 平塚中継所でタスキをつなぐ駿河台大3区の町田康誠(左)のと駿河台大4区の今井隆生(代表撮影)
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 「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場)

 中学校の教員を休職して箱根駅伝に挑み、4区を走りきった駿河大学の31歳・今井隆生(4年)が、徳本一善監督からかけられた言葉に、感極まった。

 初出場の駿河台大。今井は18位でタスキを受けたが、自身のタイムは区間最下位。自身が5区の永井につないだ際には、最下位の20位になっていた。永井は、自身が中学校の教員をしていた際に直接指導していた教え子。異例の“師弟リレー”を果たすと、監督車から見守った徳本監督から「2年間、ありがとう。俺に謝ってきたら、ぶっとばすから」の声が飛んだ。

 今井は監督から飛んだ言葉に「ぐっとこみ上げるものがあった」と感無量。師弟リレーが実現したことには「前日に永井と頑張ろう、と話した。誰もができることではない。永井にも、永井と結びつけてくれた徳本感謝にも感謝」と思いを述べた。4月から教職に戻るが、「永井とタスキをつなげたことは、自分の中の1ページになった」と胸に刻んだ。

 また、タスキを受け取った永井は「もう楽しさ、キツさ、ふがいなさ、その3つですかね。入学当初から(今井と)タスキリレーしてみたい気持ちあった。まさか実現するとは。うれしかったし、貴重な経験。やはり箱根にむけた姿勢、取り組み、私生活、そのすべてが箱根で戦うためだった。(今井からのタスキリレーの時)頑張れ、頼んだと声をかけてもらった。はい!と返事をしました」と語った。

 徳本監督は取材に「この2年間、今井には本当によく頑張ってもらった」と今井が大学に編入してからの2年間を踏まえて、ねぎらった。「人生かけて大学に入り直して、心理学を勉強してやってきた中で、永井とたすき渡ししてやりたいなという思いはあったので」と、4区、5区の並びを決めた理由を説明した。

 「最後、あの(苦しい)走りになるのはなんとなく想像はできてたんですけど、かと言って今井の代わりにできるぐらい、しっかり走ってくれる選手もなかなかちょっといなくて」と、2人への思いと同時に、台所事情もあっての起用だったと言及した徳本監督。「とにかく予選会が終わってほとんどの選手がゴールしてるような感じで、そこを立て直すことができなかったのが僕の力不足」と、初出場の今大会への反省点を挙げた。

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