中大19歳・吉居大和が1区区間新 独走状態で大会最古記録更新 五輪も逃し反骨心で激走
「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場)
22年箱根劇場のオープニングアクトは、世界を見据える19歳が衝撃の走りで飾った。
中大の吉居大和(2年)が1区のスタートから集団を引っ張ると、1キロ2分50秒を切るハイラップに誰も付いていけず、5キロ過ぎには独走状態に。終盤は表情をゆがめながらも、最後まで押し切り、1時間0分40秒の区間新記録を樹立した。07年に佐藤悠基(東海大)がマークした1時間1分6秒の大会最古の区間記録を更新。「自分のペースで行って出せたのは、自信になる。中大のユニホームで先頭で走れたのは自分もうれしい」とうなずいた。
21年も、東京五輪3000メートル障害で7位入賞を果たした三浦龍司(順大)と並ぶスーパールーキーとして注目されたが、3区区間15位に沈んだ。自身は東京五輪を逃し、三浦は夢舞台で飛躍。「自分も頑張らないと」。反骨心を持って挑んだリベンジの舞台で胸のすく激走だった。
スタートダッシュでチームをシード権確保が見える6位に導いた。今後はトラックで世界を目指す。「(世界選手権参加標準記録の)5000メートルの13分13秒50を目指していきたい」。若武者は箱根から世界へと飛躍する。
◆吉居大和(よしい・やまと)2002年2月14日、三重県で生まれ、愛知県田原市で育った。田原東部中を経て、宮城・仙台育英高に進学。20年に中大に進学後、出場した同年12月の日本選手権5000メートルで3位。13分25秒87はU20日本記録。168センチ、49キロ。