オーストラリア国境警備隊は６日、テニスの全豪オープンに出場するために５日深夜にメルボルンに到着した、男子で世界ランキング１位のノバク・ジョコビッチ（３４）＝セルビア＝の入国を拒否したと発表した。新型コロナウイルスワクチンの接種免除に必要な証明がなされなかったと判断した。ジョコビッチの弁護団は６日、強制送還の差し止めを求める訴えを裁判所に起こした。

　ジョコビッチはこの日午前、メルボルンの隔離ホテルに移送された。法廷闘争を続け、１７日開幕の大会出場を引き続き目指す考えだ。公共放送ＡＢＣによると、裁判所は強制送還の是非について１０日以降に判断を示す見通し。

　モリソン首相は６日、当局の判断を支持し「規則は規則だ。いかなる人物であれ、規則を超えた存在であってはならない」とツイッターに書き込んだ。ジョコビッチはワクチン接種の有無を公表していないが、未接種とみられている。今回の全豪は４連覇と四大大会歴代単独最多となる２１勝目が懸かっている。

　ジョコビッチのメルボルン入りに先立ち、全豪オープンを運営するビクトリア州政府が接種免除を許可。しかし、オーストラリアは外国人の入国規制が世界でも厳しく、国内では「特別扱いではないか」と反発が広がった。連邦政府が州政府の決定を覆した形となった。