小林陵侑3連勝 史上初2度目の完全制覇まであと“1”「やることは変わらない」
「ノルディックスキー・ジャンプ男子W杯」(5日、ビショフスホーフェン)
ジャンプ週間第3戦を兼ねて行われ、小林陵侑(25)=土屋ホーム=が137メートル、137・5メートルの合計291・3点で優勝し、伝統ある大会の完全制覇(4戦全勝)まであと1勝とした。小林陵は2018~19年シーズンに史上3人目の完全制覇を成し遂げており、2度目となれば初の偉業。4戦8回の飛躍の合計点で競う総合は2位に17・9点(飛距離換算で約10メートル)の大差をつけている。W杯は4連勝で今季6勝目、通算25勝目を挙げた。
小林陵は70回目を迎えた伝統の大会で、史上初となる2度目の完全制覇にあと1つと迫った。重圧を感じさせない表情で「(4戦全勝は)考えてないわけでもないが、やることは変わらない。いいジャンプをしたい」と軽やかに言った。
1回目は先に飛んだリンビク(ノルウェー)が137・5メートルの好飛躍。「緊張した」と言うが、0・5メートル差で2位と食らいつく。2回目は小林陵が先にきっちり飛んで重圧をかけた。最終ジャンパーの相手は飛距離を2メートル落とし着地のテレマーク姿勢も不十分。軍配は小林陵に上がった。
今大会のジャンプ台はなだらかな助走路が特徴。36歳の伊東が「ここで上手に飛べたら、多分どこでも上手に飛べる」と言うほど、踏み切りのタイミングの取り方などが難しいという。癖のある台も苦にせず、小林陵がまた勝利を重ねた。
ジャンプ週間は年末年始に4連戦で争われる。普段なら期間中に合計10万人以上の大観衆が熱狂する大会は今回、新型コロナウイルスの影響で無観客開催。寂しさがある中、25歳は「歴史ある試合だし、こうやって4試合できてありがたい」としみじみ。3季前に達成した史上3人目となる全勝制覇の再現を目指す。
「(3季前は)調子よくずっとできていた。今はもっと自分のジャンプを理解しながらできている」と成長を実感する。日本男子初のW杯総合優勝者で通算25勝は日本人最多。北京五輪も1カ月を切り、王者が金メダルへも加速する。