坂本花織 新年V初め 五輪イヤーのテーマは“動”「暴走しまくりたい」
「フィギュアスケート・日本学生選手権」(7日、帯広の森スポーツセンター)
北京五輪代表の坂本花織(21)=シスメックス・神戸学院大=が、五輪前最後の実戦に臨み、156・73点で初優勝した。2位は渡辺倫果(法大)。16年全日本ジュニア女王の本田真凜(20)=JAL、明大=は演技途中で苦しそうな表情を浮かべたが、演技を完遂し、10位だった。今大会は新型コロナ禍のため、ショートプログラム(SP)を実施せず、フリーのみで行われた。
極寒の地で、坂本は五輪前最後の実戦を終えた。「寒いー、めっちゃ寒かった」。会場の外は坂本の演技時点で氷点下7度。体が冷えたことで予定していた3連続ジャンプが2連続になり、「悔しい」と苦笑いした。
「手がかじかんだ時にグーパー(の手の動き)がすごいゆっくりになる、その状態が膝にきてて。曲げるタイミングがちょっとでもずれたらこけてしまいそうなぐらい冷え切ってた」。動きがにぶくなる感覚はあったが、「ここでできたらどこでもできる」と意地の演技だった。
昨年末に全日本選手権を終えたばかりだが、「自分は経験を積んで、どんどん慣らしていきたいタイプ」と出場を決めた。「いつも同じリンクじゃないし、試合によってすごい冷え込んだりするかもしれない。それを五輪前に経験できたのはすごく収穫」と、糧にするつもりだ。
五輪イヤーのテーマは「動くの『動』」という。「五輪もあるし、19歳から20歳、20歳から21歳のこの2年間でだいぶ体が動きにくくなってるのをすごく感じていて。でも動けば動くし、自分は動いてないと私生活にも支障が出る。今年は暴走しまくりたいなと思ってます」。寒さを吹き飛ばすエネルギッシュな演技で、2度目の五輪に臨む。