【東田哲也の観戦記】素晴らしかった東海大大阪仰星のサポートプレー
「全国高校ラグビー・決勝、東海大大阪仰星36-5国学院栃木」(8日、花園ラグビー場)
東海大大阪仰星(大阪第2)が国学院栃木(栃木)に36-5で勝利し、4大会ぶり6度目の優勝を成し遂げた。前半6分にナンバー8薄田周希主将(3年)のトライで先制すると、一度もリードを許すことなく31点差で圧勝した。湯浅大智監督(40)は就任9年目で自身4度目の全国制覇となった。Bシードながら快進撃を続けた国学院栃木は頂点には届かなかった。
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後半13分と16分の敵陣5メートルでのラインアウトが勝敗のポイントでした。国学院栃木としてはトライを取れなかったことが悔やまれます。
前半は押し込んで取りましたし、モールにこだわっていけば良かったと思うのですが、サイド攻撃を仕掛けたりしました。フェーズを重ねても相手のディフェンスは強いので、なかなか取り切れません。モールにこだわって取れれば違った展開になったでしょう。
そして後半31分、33分のトライに東海大大阪仰星のサポートプレーの素晴らしさが出ました。実戦的な練習をしないと、なかなかサポートプレーはしづらいものですし、強さもうかがえました。
SO吉本君のキックも目を引きました。新ルールをうまく活用し、前半に2本、自陣からのキックでマイボールのラインアウトを続けました。ラグビーは年々少しずつルールが変わっていっていますが、きちんと理解して進めるところも試合巧者です。
点は取られたものの、国学院栃木は大会を通じて特にディフェンスに素晴らしさを感じました。バックスが機敏で、トリッキーな動きもしていました。全員にスピードとキレもあり、バランスの取れたチームでした。
大会全体を通して個人のスキルが年々レベルアップしていると感じます。さらにレベルアップして、将来の日本代表につながる選手がどんどん出てくることを楽しみにしています。(六甲クラブ総監督、元日本代表WTB)