平野歩 4季ぶり4勝目“二刀流”スケボー東京五輪出場 復帰半年で「ぶっちぎり」
「スノーボード・W杯・ハーフパイプ」(8日、マンモスマウンテン)
男子は冬季五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(23)=TOKIOインカラミ=が95・80点で、2017年12月以来4季ぶりに通算4勝目を挙げた。今季開幕戦を制した平野流佳(太成学院大)が93・40点の2位で、昨季の世界王者、戸塚優斗(ヨネックス)は9位。女子は20歳の冨田るき(チームJWSC)が89・40点でW杯初優勝した。姉の冨田せな(アルビレックス新潟)も3位に入った。
東京五輪でのスケートボード挑戦を終えてから半年足らず。それでも平野歩の滑りは別格だ。雪上に本格復帰してから3度目の実戦で、周囲を圧倒し「高さも下がらず、着地もクリーン。難易度も他に負けていなかった。ぶっちぎりたかった」と貫禄を漂わせた。
通常より硬いパイプで滑りにくいコンディション。世界王者の戸塚らも苦しんだけに平野歩の適応能力の高さが際だった。「攻める滑りがしたかった」。1回目で転倒して後がない2回目の試技。今大会では誰も成功していない横4回転の連続技を冒頭に決めた。
東京五輪後はブランクを埋めるべく、練習に時間を費やした。五輪銀メダルの実力がありながら「時間がないのは自分で分かっている。一日一日を無駄にしないように」とひたむきに取り組んだ。
本番まで残り約1カ月。「この自信をつなげていくことが大事。どこまでチャレンジしていけるか」。悲願の金メダルだけを見据える。