不破ちゃん異次元13人抜き!名前“聖衣来”の由来判明「すごい子になって」現実的に
「全国都道府県対抗女子駅伝」(16日、たけびしスタジアム京都発着=9区間42・195キロ)
2024年パリ五輪の星“不破ちゃん“がまた新記録だ。群馬の不破聖衣来(ふわ・せいら、18)=拓大=が4区(4キロ)で13人抜きの快走を見せ、12分29秒の区間新記録で区間賞を獲得した。2018年に東京五輪女子1万メートル代表の広中璃梨佳(日本郵政グループ)が出した区間記録を3秒塗り替え、優秀選手賞を獲得した。京都が2大会連続18度目の優勝を果たした。
18歳の不破がまた“異次元の走り”で圧倒した。4区で先頭から1分29秒遅れの22位でたすきを受け取ると、次々に前の選手を抜き、驚異の13人抜きを達成。区間記録も更新し、「前にいる選手をひたすら追いかけた。こういう記録が出せてうれしい」と笑顔だった。
24年パリ五輪を目指す新星は、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。昨年10月に全日本大学女子駅伝の5区で6人抜きして区間新を出すと、12月の富士山女子駅伝でも5区で10人抜きの区間新。「前を追う位置でもらうことが多くて、その中で記録もついてきた感じ」とレースごとに成長し、「(何人も抜くのは)抜けないより気持ちがいい。毎回楽しく走れてます」と、爽やかに快進撃を続けてきた。
昨年12月には、1万メートルで日本歴代2位となる30分45秒21をマークし、今夏の世界選手権(7月、米オレゴン州ユージン)の参加標準記録を突破。「今年一番狙ってる」と位置づける大舞台へは、5月の1万メートルの日本選手権で3位以内に入ることが重要で、「まずは日本選手権で代表権を勝ち取って、世界選手権でも活躍したい」と気合も入る。
世界の舞台に立つために、課題となるのは「スピード」という。連戦の中で出した区間新にも「100点満点の中だったら80点ぐらい」と冷静で、「最近長い距離が多くて、4キロで出し切ることができなかった。スピードを改善していきたい」と収穫を得た。
昨年末は「聞いたことがない」と話した名前の『聖衣来』の由来も判明した。「『聖なる衣』で、破れないすごい子になってほしいという思いがある」。名字も『不破』と、“無敵”の名を持つ18歳は、「名前に見合うような強い人になりたい」と力強く宣言した。世界選手権、そしてパリ五輪へ-。“不破神話”は始まったばかりだ。