バドミントン渡辺&東野が立った五輪表彰台、母校に寄贈 乗ってもOK「世界意識きっかけに」
東京五輪バドミントン混合ダブルス銅メダルの渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス)が五輪表彰式で実際に乗った表彰台の贈呈式が17日、2人の母校である福島・ふたば未来学園中高で行われた。在校生約500人が拍手する中で凱旋した渡辺は「(五輪が)無観客だったので、表彰台を通して五輪を生で感じてもらえるのは意味がある。僕自身、表彰台に立つときにめちゃくちゃ鳥肌が立った。実際に見て何かを感じ取ってくれたらうれしい」と感慨深げに語った。
東京五輪でメダルを獲得した日本代表選手の母校や出身自治体などに実際に使用した表彰台を贈呈するという、東京五輪パラリンピック組織委員会の「表彰台レガシープロジェクト」の一環。2人の意向で母校に寄贈することになり、渡辺は「実際に僕が立った表彰台が、レプリカでもなくちゃんと本物が見られる位置にあるのは、僕にとっても生徒たちにとっても有意義」と声を弾ませた。
贈呈された表彰台は、校内で地域住民も入室できるカフェ併設の地域協働スペースに設置される予定で、実際に乗ることもできる予定。同校の柳沼英樹校長は「表彰台に一歩上る重み(を感じ)、想像を超える努力をされたと思う。この表彰台は(生徒らが)世界を意識するきっかけになる」と感謝と期待を込めた。
渡辺は前身の富岡第一中在籍時、11年3月11日に東日本大震災で被災。登校が不可能となったが、関係者の尽力で猪苗代町に拠点を移し、高校時代にはインターハイ2冠を達成するなど、礎を築いた。中学時代からペアを組んでいる先輩の東野と、同種目初の五輪メダリストに輝き“故郷”に錦を飾ったが、「表彰台を通じて五輪でメダルを獲ったヤツがいるというのを忘れられないようにしたい。僕自身も精進を続けるが、生徒が何かを感じ取ってくれれば大成功」と語った。