スノボ・平野歩2位 土壇場で超大技成功 逆転ならずも大きな収穫
「スノーボード・Xゲーム」(21日、アスペン)
世界のトッププロが集結する招待大会の冬季Xゲームは21日、開幕し、スノーボード男子ハーフパイプは北京冬季五輪代表で今季ワールドカップ(W杯)種目別覇者の平野歩夢(23)=TOKIOインカラミ=が2位で、4年ぶりの優勝は逃した。弟で初出場の平野海祝(19)=日大=は3位と健闘し、初代表の北京五輪へ弾みをつけた。スコット・ジェームズ(オーストラリア)が2年ぶりの4勝目を挙げた。女子スロープスタイルで今季W杯開幕戦を制した北京冬季五輪代表の17歳、村瀬心椛(ムラサキスポーツ)は4位だった。世界選手権を2連覇中のゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド)が優勝した。
2位で迎えた土壇場の最終試技。平野歩が注目の超大技を繰り出した。昨年12月に実戦で初披露した斜め軸に縦3回転、横4回転する「トリプルコーク1440」を成功。続く技で転倒し、逆転はならなかったものの、観客の度肝を抜き「一つの技としては、めちゃくちゃパーフェクトに決められた」と自賛した。
前日からの降雪でスピードが出ず「やれる状況じゃない」と見送る予定だった。しかし、3度の試技を終えてトップを奪えない。けがやスケートボード挑戦で3年続けて欠場した平野歩は、王座奪還へ後がなくなった。
スタート直前に決意を固め、1発目で勝負に出る。「練習以上の完成度」と自らも驚きの出来で、弟の海祝は「練習しているのを見てきたけど、今までで一番コンディションが悪い中で一番いい決め方。鳥肌が立った」と脱帽した。
東京五輪に出場してから半年足らず。連覇が懸かっていた戸塚優斗ら多くの実力者が今大会を欠場する中、ブランクを埋めようと貪欲に挑み「技一つとしての自信はまた上がった」と大きな収穫を得た。