御嶽海「年10敗」同郷の伝説・雷電にあやかった“新大関”が壮大目標 口上は「シンプルに」
大相撲初場所で3度目の優勝を果たし、大関昇進を確実にした関脇御嶽海(29)=出羽海=が24日、優勝一夜明けのリモート会見を都内の部屋で行った。伝説の力士・雷電以来227年ぶりに長野出身の新大関となる御嶽海は、現役生活でわずか10敗だったとされる先人にちなみ「1年間で10敗だけ負ける力士もいいかな」と抱負。年間80勝相当の壮大な目標を掲げ、大関としての活躍を誓った。
どこまでも強くなりたいという願望が表れた。あの雷電以来2人目の長野出身の大関。先人は通算10敗しかしなかったと聞いた御嶽海は「大関になって、1年間に10回だけ負ける力士もいいかな」と、笑顔で“史上最強力士”にちなんだ抱負を口にした。
雷電の生涯成績は254勝10敗41休2分け14預かりで、勝率・962とされる。さすがにこの数字は非現実的だが、年6場所制の現代でも年間10敗=80勝は実現不可能な目標ではない。白鵬の86勝(2度)が最多で、6人が合計11度クリア。94年の貴乃花は大関時代に達成している。御嶽海の過去最高は昨年の55勝。今はまだ高いハードルでも、たゆまぬ精進を続ければ超えられる日が来るかもしれない。
郷土が生んだレジェンドのような活躍に期待がかかる御嶽海。「偉大な先輩の後というので、ある意味プレッシャーかな」と苦笑しつつ、自身の活躍で先人の名をあらためて世に出したことは「相撲を知らない方でも雷電という名前を知ってもらう。それはすごくうれしい」と喜んだ。
目指す大関像は「近寄れない大関って言われたいですけど、僕の性格上無理なので。フランクな大関でいきたい」。そう言って人懐っこい笑みをこぼした後で「土俵の上では人一倍、気迫ある相撲を取りたい。絶対誰にも負けたくない。そういう思いが出てくるんじゃないかと思います」と表情を引き締めた。
26日の昇進伝達式での口上については、難しい四字熟語などを使うことには否定的。「シンプルにいこうかな」と明かした。年頭の場所で最高のスタートを切り「のっていくと思います、このまま」と宣言。大関としての活躍に自信を見せた。