TV収録で肋骨骨折の吉村真晴 復帰戦で快勝「メンタルきつかった」パリへ心機一転
「卓球・全日本選手権」(25日、東京体育館)
混合ダブルス3回戦が行われ、16年リオデジャネイロ五輪男子団体銀メダルの吉村真晴(28)=愛知ダイハツ=は、鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ)とのペアで2試合を勝ち進み、16強入りした。吉村はテレビ番組収録中に肋骨(ろっこつ)を骨折するアクシデントからの復帰戦を飾り、「久しぶりの試合だったが、感触としてはすごく良かった」と声を弾ませた。
昨年10月31日、テレビ朝日の新春番組「とんねるずのスポーツ王は俺だ!」の収録中に肋骨を痛めた。痛みを感じながらも最後まで参加したが、翌日受けたMRI検査で骨折が判明。全治8週間と診断された。その後Tリーグなどには出場せず、年内は療養。年明けから徐々に練習を再開し、何とか全日本選手権に間に合わせた。
東京五輪の代表を逃し、もう一度パリ五輪を目指す気持ちを固めたさなかのアクシデントだったといい、「コロナ(感染)で(昨年の)世界選手権代表選考会に出られなくなったり、2カ月離脱した。もう一度、パリ五輪に向けてという気持ちが強くなったところで、(負傷離脱は)メンタル的にキツかった」と告白。ただ、療養中は自身の気持ちや周囲の環境を整理する時間に充てたといい、「今は専属コーチをつけたり、全て卓球のためにやっていこうと決心がついた。いい(空白の)2カ月だった」と前向きに捉えた。
17年世界選手権では石川佳純(全農)とのペアで世界王者にも輝いているダブルスの名手。一時は日本代表チームを辞退していたが、再び代表入りを目指す考えを示し、「改めて日の丸を背負って頑張ろうと思って、今はコーチやトレーナーつけて本気で臨んでいる」と復活を期した。