御嶽海 口上で紡いだ「感謝」と「持ち味」 郷土愛と人柄にじみ出た新たな門出

 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を開き、初場所で3度目の優勝を果たした関脇御嶽海(29)=出羽海=の大関昇進を満場一致で決めた。昇進伝達式では、中学時代の恩師の教えである「感謝の気持ちを大切に」、出羽海部屋所属の名行司だった28代木村庄之助ゆかりの「自分の持ち味を生かし」という言葉を口上に盛り込み、決意表明した。

 自分の“根っこ”を形作ってくれた人々への思いを、シンプルな口上に乗せた。使者から大関推挙を告げられた御嶽海は、丁寧に言葉を紡いだ。

 「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道にまい進してまいります」

 よどみなく言い終えると大きく息を吐き、満面の笑みがこぼれた。「緊張しました」と振り返った口上の出来は「満点です」と自己採点。こだわったのは出身の福島中(2016年に合併して現在は木曽町中)にまつわる「感謝」と「持ち味」の2つの言葉だった。

 「感謝」は恩師・安藤均先生(63)の教えだ。「中学校から『感謝の気持ちを忘れないで相撲をとりなさい』というのを、大学に行ってもプロに来てもずっと言われ続けた」。恩返しをするように、晴れ舞台で師の言葉を選んだ。

 「持ち味」は28代木村庄之助(10年に死去)にちなんだ。今も母校にある石碑と書には庄之助の「自分の持ち味をいかせよ」という言葉が刻まれている。「絶対に使いたいなと。同じ出羽海部屋だったので」。名門部屋47年ぶりの新大関として、名行司とうたわれた先人への敬意もきっちりと示した。

 郷土愛と人柄がにじみ出た新たな門出。「本当にいろんな人に支えられたり、いろんな人とつながれている。その感謝を込めて言いました」と話す新大関は、もちろんこれで満足などしてしない。1横綱3大関の一角として「その中でも一番目立って、まだ一つ上の番付もありますし、そこを目指してやっていきたい」と目標を宣言。看板力士の自覚をにじませ「ここからスタートラインに立ったと思って臨んでいきたい」と気を引き締めた。

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