元豪栄道の武隈親方が断髪式「横綱を育てたい」オールバックのタキシード姿に
20年初場所限りで引退した元大関豪栄道の武隈親方(35)の引退相撲が29日、東京・両国国技館で行われた。
断髪式には、プロボクシング元世界王者の内山高志氏ら約380人が参加。師匠の境川親方(元小結両国)に止めばさみを入れられ、大銀杏(おおいちょう)に別れを告げると、いずみ夫人(31)、長男・治人くん(1)から花束を贈られた。
コロナ禍以降では、有観客の引退相撲と断髪式開催は初めて。武隈親方は感極まりそうな表情も見せたが涙はなく、断髪式が2度延期になっていたとあって「やっとできたなと。心の底から安心してます。大変な中で来ていただいて本当にありがたい」と開催を喜んだ。オールバックの髪型でタキシード姿も披露。「すっきりしました」と笑った。
15年の土俵人生で大関在位は33場所。「大和魂」を胸に、真っ向勝負を貫いた。2月1日付けで独立して武隈部屋を新設する。「1人でも多く魅力のある力士を育てていきたい。魂というか、あまり弱みを見せないで戦うのが力士のあるべき姿だと思うので、そういう部分を大事にして育成していきたい」と抱負を語ると、土俵上のあいさつでは「私の果たせなかった横綱を育てたい」と目標を掲げ、大きな拍手を浴びていた。