小林陵侑 7勝目!五輪金へ追い風 最長不倒に笑顔「勝てて良かった」
「ノルディックスキー・ジャンプ男子W杯」(29日、ビリンゲン)
北京冬季五輪代表の小林陵侑(25)=土屋ホーム=は最長不倒の145メートルを飛び、115・6点で今季7勝目、通算26勝目を挙げた。強風のため2回目は行われず、1回目の成績で順位が確定した。佐藤幸椰(雪印メグミルク)は5位だった。小林潤志郎は20位、佐藤慧一(ともに雪印メグミルク)は22位、中村直幹(フライングラボラトリー)は32位、伊東大貴(雪印メグミルク)は33位だった。
久々に見る会心の笑顔だった。大飛躍を決めた小林陵は着地後に思わずガッツポーズ。さらに勢いそのままに減速ゾーンで小さく飛ぶ“おまけのジャンプ”まで繰り出し「勝てて良かった」と喜びに浸った。6戦ぶりに表彰台の中央に戻った。
記録上は強い向かい風が吹き続けていたが、時折横風も交じる難しい条件の試合だった。多くの選手が苦しむ中でもヒルサイズに2メートルと迫る最長不倒。早い時間帯に行われた女子と同じく1回目のみの成績で順位が確定し、ガイガー(ドイツ)を抜き返してW杯個人総合のトップに浮上した。
28日の混合団体は腰に疲労の影響があったため大事を取って出場を回避した。この判断がいい流れを生み「結構フレッシュな気持ちで、やる気に満ちていた」と高い集中力にもつながった。
個人第12戦で優勝して以降は4位と5位が続き、どこかもどかしさがつきまとった。日本のエースは「(この日の飛躍は)そんなに悪くはなかったと思う。ラッキーな部分もあった」と謙遜したが、北京冬季五輪前に再び勝てたことで、金メダル候補としての地力を改めて証明した。