レスリング女子５０キロ級で東京五輪金メダルの須崎優衣（２２）＝早大＝が２２日、オンラインで会見し、大学卒業後の４月から地元千葉県に本社を置くバルブ製造業「株式会社　キッツ」に入社すると発表した。引き続き早大を練習拠点としながら競技を続ける。６月の全日本選抜選手権から実戦復帰する見込みで、新社会人として五輪２連覇へと歩み出す。

　若き最強女王が、異例の“Ｕターン就職”だ。Ｊリーグなどスポーツ支援も行ってきた同社だが、過去レスリング選手が所属した例はない。河野誠社長によれば、関係者から須崎を紹介され、人間性にもほれ込んだといい、昨夏の五輪前からいち早くオファー。須崎も「五輪２連覇に最適の環境」と感謝した。

　須崎にとって千葉は中学１年まで過ごした故郷。さらに本社が幕張に位置しており「五輪で夢をかなえた場所も幕張（メッセ）なので縁を感じた」。競技に専念しながらも不定期で出勤しながら社会人の基礎を学ぶ予定で「社会人としても精進し、世界に羽ばたきたい」と意欲を示した。

　五輪後もテレビ出演などと並行して練習を続けてきた。新たな環境も決まり「パリ五輪で絶対に２連覇できるように頑張りたい」と決意を新たにした。