北京冬季五輪に柔道レジェンドも興奮 野村忠宏氏「熱い気持ちに」鈴木桂治氏「この熱冷ましちゃダメ」
柔道五輪3連覇の野村忠宏氏(47)が主催する「野村道場」のオンライン柔道教室が23日、横浜武道館で行われ、日本男子代表の鈴木桂治監督(41)が特別講師として参加した。リモートで参加した小中学生30人に、野村氏が背負い投げ、鈴木監督が小外刈りなど、それぞれの得意技を指南した。
20日までは北京冬季五輪が開催されており、日本選手団は金3個を含む史上最多の18個のメダルを獲得。その熱が冷めやらぬ中、柔道界のレジェンド2人も刺激を受けた様子だ。
野村氏は「選手のパフォーマンスを見て大きな感動もあり、喜ぶ場面、手に汗握る場面、ちょっと憤りを感じる場面もあった」と歓喜だけでなく、不可解裁定やドーピング問題にも揺れた17日間を振り返った。現在は柔道を普及する立場だけに「やっぱりスポーツを通して熱い気持ちになった。これを見て、本気でチャレンジする子供がもっと増えたらいい。私たちは柔道を通して(スポーツの素晴らしさを)発信していければいい」と期待を込めた。
鈴木監督は「今回の五輪もやっぱり見て興奮した。41歳ですけど、すげーなと。小中学生はもっと影響があるわけですよね」と振り返ると同時に、「この熱を冷ましちゃダメ。夏は夏(の競技)で地道にやっていくしかない。柔道の魅力を我々(柔道家)が見直して、どう発信するかを再確認するべきだと感じた」と語った。
鈴木監督自身、サッカーやサーフィンなど色んなスポーツに親しんできたが、柔道は気軽には遊べない現実がある。この冬も自身がスノーボードを楽しんだことを踏まえ、「スノボやスケボーなどの横乗りスポーツは身近で、やろうと思ったら(すぐに)できるが、柔道はそうはいかない。これからの課題」と、競技人口減少が叫ばれる柔道への問題意識につなげていた。