北京パラ開会式、組織委会長はウクライナ侵攻に踏み込まず IPC会長と対照的

 北京冬季パラリンピックの開会式で平和を訴えるIPCのパーソンズ会長=北京(共同)
 北京冬季パラリンピックの開会式で、「雪の結晶」のオブジェの中心に聖火のトーチを据える最終走者=北京(共同)
 北京冬季パラリンピックの開会式で打ち上げられた花火=北京(共同)
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 北京冬季パラリンピックの開会式が4日、北京市内の国家体育場(通称「鳥の巣」)で行われ、10日間に渡る大会が開幕した。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアとベラルーシが大会から除外される中、障害者スポーツの祭典には46カ国・地域から約560選手が参加する。

 北京冬季五輪・パラリンピック組織委員会の蔡奇会長はスピーチで「習近平主席の推進と中国政府の強いリーダーシップのもと、IPCと協力して鋭意準備を進め、五輪と同様、世界に簡素で安全で素晴らしいパラリンピックを開催しようと進めてきた」とあいさつ。「パラスポーツの精神の美しさ、命の美しさを堪能しましょう。世界に自信と友愛と希望を伝え、人類は困難にあっても共に助け合うという確固たる信念と、人類運命共同体という美しい願いを示しましょう」などと呼びかけたものの、「戦争」や「紛争」といった表現はなく、ロシアのウクライナ侵攻については具体的に言及しなかった。

 一方、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は対照的に、ロシアのウクライナ侵攻を念頭に置いた上で世界平和を強く訴えた。「共生を中核とし、多様性を受け入れる組織のリーダーとして、私は今世界で起きていることに強い衝撃を受けています。21世紀は戦争と憎しみの時代ではない」と言及。五輪パラリンピック中の休戦は国連決議として採択されていると再確認した上で、「違反があってはならない。IPCではみんなが共生できる世界、差別や憎しみ、無知とは無縁の紛争のない社会を目指している。世界は共に生きるべく場であるべきで、分断であってはならない」と述べた。

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