高梨沙羅 粘れず反省4位「まだ恐怖心を感じながら挑戦」完全復活へ一歩ずつ
「ノルディックスキージャンプ・女子W杯」(3日、リレハンメル)
北京五輪後の復帰戦Vに続く2連勝を狙った高梨沙羅(25)=クラレ=は1回目に132メートル、2回目に117メートルをマークし、合計279・0点で4位だった。失格となり五輪で刻まれた恐怖心と戦いながら、完全復活へ一歩ずつ歩む。新型コロナウイルス陽性で五輪を欠場したマリタ・クラマー(オーストリア)が299・9点で今季7勝目、通算15勝目を挙げた。
劇的な優勝から一夜明け、高梨の前に手ごわいライバルが立ちはだかった。W杯個人総合トップ3の強敵が表彰台を独占。日本のエースは「試合を楽しめるようになったが、楽しみながらでも目指すのは結果」と勝負へのこだわりを口にした。
着地が乱れた1回目は「(左右の)スキーが重なって、バランスを崩してしまい出遅れた」。5位から巻き返しを狙った2回目は、強い追い風の影響でK点に6メートル届かず「もうちょっと粘れたら良かった」と反省した。
北京五輪の混合団体でスーツの規定違反。失格となり、泣き崩れた。自身のインスタグラムで「みんなの人生を変えてしまった」と責任を一身に受け止めた。進退に迷いながら、再び飛ぶことを選んだ。
失意からの立ち直りはまだ万全とは言えない。「まだ恐怖心を感じながら挑戦している。でも考えすぎても自分のパフォーマンスに意識が行かなくなる。気をつけながらやるべきことに集中したい」。自問自答しつつ、完全復活への道を探り続ける。