高梨沙羅 五輪後4戦2勝、完全復活の予感「自分のテクニックに集中できた」

 「ノルディックスキージャンプ・女子W杯」(6日、オスロ)

 高梨沙羅(25)=クラレ=が合計263・9点で優勝した。今季3勝目で、W杯通算63勝目を挙げた。1回目に130メートルでトップに立ち、2回目は128メートルを飛んだ。北京五輪金メダルのウルシャ・ボガタイ(スロベニア)が合計259・3点で2位、伊藤有希(土屋ホーム)は123メートル、127メートルの合計254・6点の3位で、4季ぶりに表彰台に立った。勢藤優花(北海道ハイテクAC)は12位、岩渕香里(北野建設)は20位、2回目に進めなかった岩佐明香(大林組)は31位だった。

 好飛躍をそろえ、完全復活を予感させた。北京五輪で失意を味わった高梨は「日に日に、一つ一つ前進している感じはある」という。五輪後の個人4戦で早くも2勝目。復調ぶりを結果で証明した。

 風が少ない公平な条件で「自分のテクニックに集中できた」と神経を研ぎ澄ませた。

 1回目に130メートルの大飛躍でトップに立ち、首位で迎えた2回目も最終ジャンパーの重圧をものともせずに空中へ飛び出した。「その瞬間、瞬間では何も考えず、ただ自分のやるべきことを意識して飛んだ」。1位が確定すると、待ち構えていた伊藤と抱き合って満面に笑みを広げた。

 五輪の混合団体で失格となった責任を背負い込み「人生の岐路に立たされた感覚」に陥った。今でも「気持ち的には解消しきれていない」と葛藤を抱える。それでも、自らを「進まなきゃいけない時はある」と奮い立たせ、復帰戦から混合団体を含めて5日連続で飛び続けた。

 ジャンプ発祥の地とされるオスロで、歴代最多を更新する63勝目。試合を重ねるごとに迷いが消え、勝負師の顔になってきた。「自分が飛ぶことで、見ている人に何かを与えられるなら飛び続けようと決断したことは大正解だった」。発する言葉にも自信がにじんだ。

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