川除大輝 21歳冬季パラ男子最年少・金「成長見せられた」

 金メダルを獲得し、日の丸を背に笑顔の川除(いずれも共同)
 子20キロクラシカル立位 ゴールに向かう川除大輝
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 「北京パラリンピック・ノルディックスキー距離・男子20キロクラシカル立位」(7日、国家バイアスロンセンター)

 日本選手団の旗手を務めた川除大輝(21)=日立ソリューションズJSC=が優勝し、初の金メダルを獲得した。日本パラリンピック委員会(JPC)によると、冬季大会の日本男子では最年少金メダリスト。日本の第一人者・新田佳浩(41)=日立ソリューションズ=を継いだ若き逸材が2度目出場の大舞台で花を開かせた。アルペンスキーのスーパー複合女子座位では今大会2つの金メダルを手にした日本選手団主将・村岡桃佳(25)=トヨタ自動車=が3日連続のメダルとなる「銀」に輝いた。

 偉大な先輩からのバトンは確かに受け継いだ。21歳の川除は「自分がチームを引っ張っていける力がついたと証明できた」と胸を張った。41歳のレジェンド・新田の背中を追い続けてきた。頂点に立ち、世代交代を高らかに宣言した。

 4年前の平昌大会。新田が金メダルを獲得した勇姿を目に焼き付けた。「あの姿を見て、自分の気持ちが一気に切り替わった」。当時は日本選手団最年少の17歳で個人の最高成績は9位。甘えもあったが、次は自分の番だと決意が固まった。

 新田との出会いは小学4年。2010年バンクーバー大会で獲得した金メダルを首に掛けてもらった記憶がある。「とても重く、ずっしりしていた」と、その重みは今も鮮明に記憶。川除がパラスポーツに触れた原点だ。

 生まれつき両手足の指の一部がなく、身長約160センチの小柄な体。ストックを持たずに両腕を大きく振ってスキーを滑らせる、真骨頂のピッチ走法で海外の強豪を圧倒した。

 根っからの負けず嫌い。リレーで友達に負けると悔しがり、けんかになった。父大輔さん(50)は「みんなと一緒のことをやらないと気が済まなかった」と話す。分け隔てなく育てられ「障害者」の意識は薄い。

 高校卒業後はノルディックスキーの強豪日大に進学。パラの日本代表活動と並行して健常者とも大会でしのぎを削り、実力を磨いてきた。今大会は2度目の出場ながら、日本選手団の旗手の大役を任されるまでになった。

 日の丸を大きく掲げ「成長できたことをしっかり見せられた」と新エースは誇った。

 ◆川除大輝(かわよけ・たいき)2001年2月21日、富山市出身。生まれつき両手足の指の一部がない。小1でスキーを始める。富山県立雄山高から日大に進学。パラリンピックは2大会連続2度目の出場。19年世界選手権で優勝。

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