阿部一二三と丸山城志郎 決勝進出なら1年4カ月ぶり対戦 パリへ再始動、選抜体重別
柔道の全日本選抜体重別選手権(4月2、3日・福岡国際センター)の組み合わせ抽選会が9日、行われた。今年の世界選手権(10月、タシケント)などの代表選考会を兼ね、各階級8人が出場。昨夏の東京五輪代表も男子は7人全員、女子は5人がエントリーし、この大会から実戦復帰する。
男子66キロ級では、東京五輪金メダルの阿部一二三(24)=パーク24=と、世界王者の丸山城志郎(28)=ミキハウス=がエントリーし、反対のブロックに入った。互いに2試合を勝ち進めば決勝でぶつかり、実現すれば20年12月に行われたワンマッチでの五輪代表決定戦以来の対戦。前回は24分間に及ぶ死闘となり、阿部が大内刈りで勝負を決めている。
オンラインで取材に応じた日本男子の鈴木桂治監督は「阿部本人の口からは、パリもそうだし(28年の)ロスも(目指す)と聞いている。まだ若い選手なので、有言実行を見せてもらいたい。丸山は非常に悔しい経験をしていると思うので、報われるような(強化の)環境をサポートしたい」とそれぞれに期待。また、2強を追うグランドスラム・パリ大会覇者の田中龍馬(20)=筑波大=ら若手に対しては「阿部、丸山を倒さないことには(始まらない)。2人を食ってやろうという思いを持ってきてほしい」とハッパをかけた。
金野潤強化委員長は、国内トップ選手が出そろっての大会に、「この大会は言うまでもなくパリ五輪に向けた大きな一歩。東京五輪組は五輪以来初めての試合だが、パリに向けて選手によっては連覇に向けた足がかりにするのか、他の選手がそれを止めるのか、ダイナミックな柔道が見られるのではないかと期待している。五輪代表もこの大会での内容もそうだが、結果も大きなウエートを占める。紙一重の戦いを誰が制するのか、全階級で注目したい」と話した。