村岡桃佳「フルアタックをかけた」今大会3冠 単独トップ!通算4個目の金
「北京パラリンピック・アルペンスキー・女子大回転・座位」(11日、国家アルペンスキーセンター)
女子大回転が行われ、座位では日本選手団主将の村岡桃佳(25)=トヨタ自動車=が2連覇を果たし、滑降とスーパー大回転と合わせ、今大会3冠に輝いた。冬季パラで日本勢の1大会金メダル3個は、1998年長野大会アイススレッジスピードレース女子のマセソン(旧姓松江)美季らに並び最多で、通算4個目の「金」は単独トップとなった。12日の回転で2大会連続全5種目表彰台の快挙を狙う。
鬼気迫る圧巻の滑りだった。村岡は「勝つか、転ぶか。フルアタックをかけた」という攻めを2回目に披露。結果的に2位に7秒28差をつける圧巻の逆転劇だった。自信のあるターン技術を出せることから、大回転は最も得意でこだわりを持つ種目。「絶対に負けたくなかった。達成感にあふれている」と2連覇に声を上ずらせた。
午前中の1回目は動きが硬く、1秒04のリードを許して2位。「ショックを受けた」と出遅れがエースの心に火を付けた。
「私はめちゃくちゃ負けず嫌い」と自認する。7日のスーパー複合は、苦手だった後半の回転で6秒以上のリードをひっくり返され銀メダル。チームメートの胸に顔をうずめて、涙を流した。大回転で「絶対に金」という思いを実現し、今大会3冠を達成した。
冬季パラで通算4個目の金メダルは日本勢歴代最多。2大会連続での全5種目表彰台に王手をかけ、12日に最終種目の回転に臨む。
メダル授与式に出席した村岡は右手を突き上げて喜んだ。五輪で日本選手団主将を務めたスピードスケートの高木美帆(日体大職)と同じ1大会4個目のメダル。「同じ数を獲得できてうれしい」とかみしめた。
◇村岡桃佳(むらおか・ももか)1997年3月3日、埼玉県出身。4歳で横断性脊髄炎を患い、車いす生活となる。前回平昌大会はは滑降で銀、大回転で金など全5種目で表彰台に上がった。冬季パラ3大会連続出場。昨夏の東京パラ陸上女子100メートル(車いすT54)にも出場して6位だった。