柔道 仁氏の次男・斉藤立が復調V「負けられない戦いが続く」4月代表選考会へ弾み

 東京都選手権で初優勝した斉藤立
 東京都選手権で初優勝し、感染症対策で自らトロフィーを手に取る斉藤立
 決勝で一本勝ちした斉藤立(上)
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 「柔道・東京都選手権」(13日、東京武道館)

 全日本選手権(4月29日、日本武道館)の東京都予選を兼ねて体重無差別で行われ、故斉藤仁氏の次男、斉藤立(20)=国士舘大=が6試合を勝ち抜いて初優勝した。パリ五輪へ期待が懸かるホープは昨年11月に左膝を痛めていたが、復調気配。4月から本格化する代表選考レースに向けて、また1つアピールした。

 144人がエントリーしたハイレベルなトーナメントで、20歳のホープが高いポテンシャルを示した。序盤戦は攻めあぐねる場面も目立ったが、100キロ超級のライバルとの対戦となった後半戦は徐々に本領発揮。香川大吾(ASLOK)との4回戦では、大外刈りから連絡した出足払いで相手を吹っ飛ばし、佐藤和哉(日本製鉄)との準々決勝は相手が負傷で途中棄権。松村颯祐(東海大)との決勝は、内股を警戒している相手を足車でくるっと転がし、一本勝ちで優勝を決めた。

 昨年11月のグランドスラム(GS)バクー大会で優勝し、パリ五輪代表争いに名乗りを上げているホープは「結構プレッシャーを感じていた。これからも負けられない戦いが続くので、初戦から硬かった」と明かした。「(優勝は)よかったけど、まだちょっと組み手で課題がある。しっかりと取り組んでいきたい」と次戦への反省を口にした。

 191センチ、160キロ超の巨体から繰り出す、スピード感ある切れ味鋭い投げ技が持ち味の大器。昨年11月以降は左膝のけがに泣き、今大会の約3週間前から本格的な練習を再開したというものの、ハイレベルな大会を制し、24年パリ五輪代表争いが本格スタートする4月に向けて弾みを付けた。

 まずは今年の世界選手権(10月、タシケント)で初の代表入りを目指す。東京五輪代表の原沢久喜(百五銀行)、世界王者の影浦心(日本中央競馬会)らが一堂に会する全日本選抜体重別選手権(4月2、3日・福岡国際センター)、今回出場権を得た全日本選手権と負けられない戦いが続くが、「負けることはあまり考えてない。負けることより、どのようにして勝っていくかなので」と自分に言い聞かせていた。

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