高安4連勝 前場所は“コロナ禍”全休明けて春が来た「ほどよく集中できている」
「大相撲春場所・4日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)
高安が琴ノ若を上手投げで破り、平幕ではただ1人の4連勝を飾った。初日からの4連勝は大関だった2018年九州場所以来。実力者が賜杯争いを引っ張る。
高安が元気だ。3連勝同士の対決を制し、平幕唯一の勝ちっ放し。「割と落ち着いて、ほどよく集中できているのがいい」。淡々とした中にも、口ぶりに自信が表れた。
期待のホープの壁になった。先場所も11勝を挙げて優勝争いに絡んだ琴ノ若に対し、のど輪をしのいで右四つに食い止める。巻き替えでもろ差しを許したが両上手を引き、最後は右上手投げで転がした。「すごくポテンシャルの高い力士ですから。そこはしっかり集中して、厳しい相撲を取りました」。元大関の貫禄を示し、胸を張った。
初場所は新型コロナ感染者が出たため部屋全員が全休。自身は好調を感じ取っていただけに無念の休場となったが、無駄にはしなかった。体のケアと腰高の弱点を克服する下半身強化に集中。「稽古を積めた。充実した2カ月だった」と振り返る。全休明けの好発進は「コツコツやってきたことが、結果に出ているのでは」と明快な理由があった。
春場所はゲンがいい。17年には初日から10連勝して殊勲賞を獲得し、兄弟子・稀勢の里(現二所ノ関親方)の新横綱優勝を援護射撃。18、19年も優勝争いに絡み、昨年も12日目まで単独トップを守った。「思い出のある場所ですから」と好印象も力に変えている。
1日には妻で演歌歌手の杜このみが第2子の妊娠を発表。父としての自覚もさらに増した。「精神的に充実しているので気負わずやります」と高安。大好きな春、復活ののろしを上げる。