北京五輪スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢（２３）＝ＴＯＫＩＯインカラミ＝が１８日、都内で会見を行った。大会閉幕から１カ月。冬季３大会連続出場を振り返り「今回は新たな４年間で特別だった。（東京五輪の）スケートボードも踏まえていて、いろんな不安の中、孤独感や新たな気持ちに苦労した年。その経験があって今回の五輪本番ででた強み」と語った。

　会見では自身が口にした「孤独感」について質問が飛んだ。平野は「孤独感は常に自分が、幼い心から大事にしてきた。それがないと大きくレベルアップしたりできたりしないのかな」と吐露。「スケートボードの挑戦もあって、見たことない景色と向き合う瞬間があった。誰もやっていないから不安な気持ちとか、目先のことが見えない状態。進み続けていたのは、どこを見ても孤独と向き合わざるをえなかったから。経験のないものだからこそ、命を張ることの難しさ、誰もやっていないことへのチャレンジだった」と見解を示した。

　トリプルコーク（ＴＣ）１４４０に関しても「世界含めて成功したことが少ない。参考がなく、正解を作りださなきゃという部分での戦い。やりたいと思いつつも、本当にできるのかと自分の中での戦いがあった」と語った。

　夏冬“二刀流”。スノーボードでＴＣ１４４０を含めた世界最高難度の演技構成でつかみ取った頂点。それを可能にした平野の強さは“孤独感”に立ち向かい続けたことにあるのかも知れない。