バドミントン協会 元職員の約680万円公金私的流用を公表 隠蔽は否定「人権への配慮」
日本バドミントン協会は25日、2018年度に元職員による約680万円の公金私的流用があったことを発表した。昨年10月に日本オリンピック委員会(JOC)からの調査、報告依頼を受けて「当時の日本代表合宿における一人当たりの負担金1万円や、国際大会での少額の獲得賞金(現金)を本会が徴収していたものを、約半年間、私的流用していたことが発覚」したという。同年11月の理事会で、最終的に理事、監事が私的流用分を元職員に貸し付け、損失欠損分を回避していた。横領を公表しなかったことについては「代表選手、会員、元職員への社会的立場・人権への配慮から」とし、隠ぺいは否定した。監督責任として、専務理事、事務局長を減給処分にしたという。
また、2020年に交付された国庫補助事業・日韓高校交流事業において、日本オリンピック委員会(JOC)から不正申請と指摘されたものがあったことも公表。対象金額は約23万円。「当時の事務長(補助金担当者)が、間違った解釈ミスをし、補助金の一部で誤った申請手続きがすすみ、JOCより委託金交付がなされました。最終の精算処理についてはJOCからの指示を待っている状況です」と説明した。
ともにJOCからの指摘で「初めて把握することになった案件」と、弁明した。「新ガバナンスコードのもと、責任の所在と処理対応策を明確にしており、すでに内閣府に提出済みです。本日の発表内容に関し、本会は意図的に不正・隠蔽した事実もないことを改めて申し上げます」と、強調した。
今になって公表した理由については「スポーツ庁からの新ガバナンスコードの強化指示の下、過去の案件ではありますが、公益財団法人としての社会性を鑑み、このたび、公表することと致しました」と、説明した。