バド協会 横領問題で隠ぺい否定「五輪に迷惑掛けないように」役員総意で公表せず

バド協会、横領問題で隠ぺい否定「五輪に迷惑掛けないように」役員総意で公表せず

 日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事が25日、都内で会見し、2018年度に元職員による約680万円の公金私的流用があったことを発表した。19年3月頃に発覚し、同年11月の理事会で対応を協議したが、事案を公表せずに一部役員で穴埋めすることを承認したという。銭谷氏は隠ぺいの意図は否定し「当時は半年後に(東京)五輪があった状況。日本代表を何とか守らないといけないという思いと、JOCや組織委員会に迷惑を掛けられないということを最優先に、公表を控えることを総意とした」と説明した。

 日本協会によれば、元職員は、日本代表合宿での参加者1人あたり1万円の負担金や、国際大会の獲得賞金を現金で徴収する会計担当者だったが、18年10月から約半年間、計約680万円を私的流用していた。日本協会の会計監査から指摘があり、元職員による横領が発覚。19年11月の理事会で対応を協議した結果、元職員に対して刑事告発はせず、協会としては事案を公表しないことを全会一致で決定した。元職員は20年6月で諭旨退職となり、役員が補てんした損失分は現在も返済を続けているという。

 この横領問題について、昨年10月に日本オリンピック委員会(JOC)からの調査、報告依頼を受け、日本協会として調査委員会を設置。関係者へのヒアリングを経て、11月末に報告書を提出した。今月にはJOCの山下泰裕会長から、この件について公表すべきではないかとの指摘を受け、今回の発表に至ったという。

 銭谷氏は「今考えれば(未公表は)ガバナンス上、正しくなかったことは反省はしている」と話し、当時の判断について「私どもとしては元職員が深く猛省している点と、弁済の意思があって(返済を)継続していることもあり、彼も社会的立場があるので、総合的に公表を差し控えることにした」と説明した。

 また、19年11月当時は翌年夏に東京五輪を控えていたこともあり、不祥事公表によるバドミントン代表選手や大会自体への“風評被害”を懸念したという。

 銭谷氏は「東京五輪への多大な影響がものすごくプレッシャーだった。選手も頑張ってくれて(多種目で)メダル候補といわれて、できるだけ迷惑を掛けないようにという選択だった」と振り返り、「(理事会の)みんなの雰囲気としては、五輪もあり、選手を守るためにも公表は差し控えようという(共通認識だった)」と話した。

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